バックスピンは弾道の高さやグリーン上での止まり方をコントロールするうえで、重要なテクニックです。
プロのようにピン手前でキュッと止まるショットに憧れている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際には「過剰にスピンがかかってしまう」「グリーンでボールが止まらない」といった悩みを抱えるゴルファーも少なくありません。
そこで本記事では会員1万人超のゴルフスクールであるチキンゴルフがバックスピンのかけ方やクラブ別の適正量まで詳しく解説します。
適正なスピンを身につけ、より戦略的なゴルフを目指したい方はぜひ参考にしてみてください。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。
バックスピンとは?ゴルフにおける役割とメリット
バックスピンは、ボールが飛ぶ方向に対して逆回転している状態のことです。
単なる「回転」ではなく、ボールの飛び方にも大きな影響を与え、ショットの精度や飛距離において重要な役割を果たします。
意識的にバックスピンをかけようとしなくても、通常のショットで自然にスピンはかかりますが、重要なのはそのスピン量が適切かどうかです。
クラブの種類や状況に応じた最適なスピン量を理解して再現することが、ショットの安定性に直結します。
特にグリーン周りのアプローチショットでは、バックスピンをコントロールできると以下のメリットがあります。
- ボールをピンに寄せやすくなる
- ボールの動きを予測しやすくなる
- 寄せワンが狙いやすくなる
スコアアップを目指すうえでも、スピンの重要性を意識したプレーを心がけましょう。
バックスピンを生み出す仕組みと要素
バックスピンはクラブフェースがボールに対してやや上向きの角度で接触し、その際にフェース面との摩擦によって生じます。

バックスピンを意図的に増やすためには、複数の要素がうまく組み合わさることが重要です。
ここでは、以下の観点からスピン量を左右する主な要素や条件について詳しく解説します。
スピン量をコントロールできると、イレギュラーな状況下でも安定したショットができるのでぜひ参考にしてみてください。
スピン量を決定する要素
バックスピンは、以下の要素によってスピン量が決まります。
要素 | 詳細 |
---|---|
ロフト角 | 大きいほどスピンがかかりやすい |
ヘッドスピード | 速いほどスピン量が増える |
入射角 | ダウンブローだと摩擦が強まりスピンが増加 |
インパクト位置 | 芯で打つことでスピンが安定する |
ヘッドスピードが速くなると、クラブフェースとボールの摩擦が強まり、スピン量も増加します。
しかし、正確なインパクトが伴わない場合はスピン量が不安定になり、かえって逆効果となる可能性があるため、注意が必要です。
スピンを効率よくかけるためには、クラブの入射角も重要です。
ダウンブローでインパクトするとボールとフェースの接触時間が長くなり、摩擦が増加するため、しっかりとしたスピンがかかります。
一方、アッパーブローのように下からあおる軌道になると、接触が浅くなり、摩擦が弱まってスピン量が減少する傾向があります。
ボールとの関係性
バックスピンの量やかかりやすさは、以下のようにゴルフボールの種類によっても大きく影響を受けます。
スピン系のボール | ディスタンス系のボール | |
---|---|---|
スピン量 | かかりやすい | かかりにくい |
特徴 | ・吸いつくような感触が得られる ・コントロール性が高い | ・グリーン上で転がりやすい ・飛距離が伸びやすい |
スピン系のボールは表面がソフトでインパクト時にクラブフェースに「吸い付く」ような感触があります。
この吸着性により摩擦が大きくなるため、しっかりとバックスピンがかかるのが特徴です。
特にグリーン周りでのアプローチショットでは、ボールが止まりやすく、高いコントロール性能を発揮します。
一方、ディスタンス系のボールは、表面が硬く反発力が高いため、インパクト時の摩擦が少なくなり、スピンがかかりにくい傾向にあります。
ボールを選ぶ際は、自分のプレースタイルやショットに求める性能に合わせて選ぶことが重要です。
バックスピンによるコントロールを重視する場合は、スピン系ボールを選ぶのが効果的です。
芝の状態や天候も影響する
バックスピンに影響を与える要素は、以下のような外的要因も大きく関わります。
- 芝の状態
- 天候
伸びた芝や草が生い茂るラフでは、インパクト時にクラブフェースとボールの間に芝が入り込み、摩擦が減少するためスピンがかかりにくいです。
また、芝の刈り目(芝目)もスピンに影響を及ぼします。
特に逆目のライではクラブヘッドの動きに抵抗が生じやすいため、その結果ヘッドスピードが落ちてスピンの効きが弱まる可能性があります。

さらに、逆風が強いとバックスピン量の多い球はふけ上がり、飛距離が出なくなる傾向です。
加えて、湿度が高い状況や雨天時には芝やクラブフェースが濡れて滑りやすくなるため、インパクト時の摩擦が減り、スピン量が抑えられます。
ゴルフにおけるバックスピンの適正量【番手・クラブ別】
以下のクラブごとに適正な飛距離を出すために必要となる、バックスピン量の目安を紹介します。
スピン量の単位は1分間の回転数「rpm(アールピーエム)」で表記され、練習場のシミュレーターや市販の計測器で測れます。
自分の数値を理想値と照らし合わせながら、スイングの分析や調整に役立ててみてください。
ドライバーの場合
ドライバーの適正なバックスピン量は、おおよそ2000〜3000rpmが目安です。
ドライバーはゴルフクラブの中で最も飛距離を求められるクラブのため、打ち出し角とバックスピン量のバランスが重要になります。
打ち出し角とスピン量が以下の範囲に収まっていれば、ボールは適切な高さで飛び、着弾後もランが出やすい理想的な弾道になります。
- 適正なスピン量
- 2000〜3000rpm
- 打ち出し角
- 13~18度程度
過度なバックスピンがかかると、ボールは空中で「吹き上がる」ような軌道になり、前方への推進力が落ちてしまいます。
その結果、キャリーとランが十分に稼げず、飛距離が伸びない原因となるため、注意が必要です。
アイアンの場合
アイアンの適正なバックスピン量は、ドライバーのヘッドスピードを基準に以下のように算出が可能です。
- ドライバーのヘッドスピードが40~42m/s程度の場合
- 「番手×900rpm」が目安
- ヘッドスピードが遅い場合
- 「番手×800rpm」が目安
ヘッドスピードがやや遅めの場合は低めの係数で計算すると、より実際のプレーに近いスピン量を見積もることができます。
例えば、ドライバーのヘッドスピードが40〜42m/s程度の一般的な男性ゴルファーが、7番アイアンの適正量を求める場合の計算式は以下の通りです。
7番アイアンの場合
7 × 900 = 6,300rpm
自分のヘッドスピードに応じて、番手ごとのスピン量の目安を把握しておくことは、弾道の安定や飛距離のコントロールに直結します。
スピン量が多すぎたり少なすぎたりする場合は、スイングやインパクトの改善に加えて、クラブやボールの見直しが必要です。
バックスピンのかけ方・打ち方

大前提としてショットのほとんどには、自然とバックスピンがかかります。
そのため、「意図的にバックスピンをかけよう」と力むのではなく、以下のような正しい打ち方に沿うことで適正量のスピン量がかかります。
バックスピンを適切にかけるとグリーン上でボールを狙った場所に止めやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください。
ダウンブローでインパクトを迎える
ダウンブローで打つとクラブヘッドがボールを上から下へ擦るような形になり、ボールに対して強い摩擦が生まれ、バックスピンが発生します。
ダウンブローでのインパクトを正しく行うためには、インパクト後にスイングの最下点がくることが重要です。

この動きにより、クラブヘッドがボールの下部に当たることなく、適切な角度でボールに接触し、安定したスピンと弾道が得られます。
ダウンブローで打つためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 前傾角度の姿勢を保つ
- ビジネスゾーンでの三角形キープを意識する
この2点を意識することで、クラブヘッドが理想的な軌道を描き、適正なバックスピンが自然とかかりやすくなります。
以下ではダウンブローの打ち方についてさらに詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ハンドファーストのインパクトを習得する
ハンドファーストでインパクトすることで、スイング中にクラブの最下点がボールより前方にくるようになり、理想的なダウンブローの軌道が生まれます。
その結果、クラブヘッドがボールに対して上から下へ潜り込むようなインパクトとなり、バックスピンがかかりやすくなります。
さらにクラブの軌道がインサイドアウトになりやすくなるため、ボールをフェースの中心で捉えやすくなり、スピン量のコントロール性も高まります。
ハンドファーストの形を作るには、以下のポイントを意識することが重要です。
- アドレスのコツ
↳正面から見て小文字の「y」になるようにする - 打ち方のコツ
↳骨盤を捻転させ左足側に体重を移動させる
↳フェースローテーションを意識し、クラブを返す
ハンドファーストの具体的な作り方や練習ドリルについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
ロフトを寝かせて打つ
アプローチの場面でボールを高く上げて止めたい場合は、ロフトを寝かせて打つ「ロブショット」でバックスピンを増やすテクニックもあります。
ロブショットでは、クラブフェースを開いてロフト角を大きくすることで、高く柔らかい弾道を生み出し、着地後すぐにボールを止めやすくなります。

ただし、フェースコントロールやインパクトの精度が繊細で、ミスのリスクも高いため、初心者にはあまりおすすめできません。
まずは、基本的なアプローチの打ち方を身につけてから、応用技として取り入れることが理想的です。
以下ではアプローチの打ち方についてさらに詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ゴルフでスピンがかかりすぎる原因と対処法

バックスピンは弾道コントロールに欠かせない要素ですが、過度にかかると以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
- ボールが吹き上がる
- 飛距離が落ちる
- 風に流されやすくなる
特にドライバーショットでは、これらの悪影響が飛距離や方向性に直結するため注意が必要です。
以下では、スピンがかかりすぎる原因と対処法を紹介します。
原因に合った対処法を実践し、アプローチすることで適正なスピン量を目指しましょう。
原因
スピンがかかりすぎる主な原因は以下の通りです。
- ロフト角の不適合
- クラブヘッドの重さとコックの影響
ロフト角はスピン量と弾道の高さに直結する重要な要素で、ヘッドスピードに合ったロフトを選ぶことが必要です。
また、クラブヘッドが軽すぎる場合、スイング中に手首のコックが早く解けやすくなってしまいます。
早いリリースはインパクト時にクラブロフトが寝た状態になるので、過剰なバックスピンが発生する原因となります。
バックスピン量を減らすための対処法
バックスピン量を減らすためには、クラブの選び方とスイングの見直しが重要です。
- ヘッドスピードに合ったロフト角を選ぶ
- クラブヘッドの重さを調整する
- 正しいスイングを身につける
ヘッドスピードが速い場合はロフト角が低めのドライバーを、遅い場合はややロフト角の大きいドライバーを選ぶのが効果的です。
男性側の目安としては以下の通りです。
- ヘッドスピードが速いゴルファー
- ロフト角が10°未満のドライバー
- ヘッドスピードが遅いゴルファー
- ロフト角が11°以上のドライバー
以下ではドライバーのロフト角について詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
一方アイアンの場合は、特にヘッドスピードの速い人は単純にロフトの立ったクラブに替えてしまうと、セッティング全体の流れに影響を及ぼすため、あえてロフトが寝たクラブを選択することもあります。
バックスピン量だけでなく、他クラブや飛距離とのバランスを踏まえて、最適なクラブを選ぶと良いでしょう。
また、適切な重さとバランスのクラブを使うことで、スイング中のフェース面のブレを抑え、スピン量のコントロール性を高められます。
さらに、正しいスイング軌道とインパクト時のフェースの安定性を保つことで、スピンを抑えながらも安定した飛距離と方向性が得られます。
ゴルフのバックスピンにおけるよくある質問と回答
ゴルフのバックスピンにおけるよくある質問と回答は、以下の通りです。
バックスピンに関する疑問を解消したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
SW(サンドウェッジ)で低く打ち出して止めるには?
SWで低く打ち出して止めるには、アドレスとスイングの基本を正しく整えることが重要です。
- アドレスのポイント
- ハンドファーストに構える
- スタンス幅を狭くする
- グリップは短めに握る
- スイングのポイント
- 胸の回転でスイングする
- フォロースルーは低く長くする
- 目線は低く保つ
特に「低く長いフォロースルー」を取ることが最大のポイントです。
これにより弾道を抑えながら、インパクト時にフェースとボールが擦れる時間を長く確保できるため、しっかりとスピンがかかります。
結果として、低い打ち出しでもグリーン上でピタリと止まるショットが実現しやすくなります。
ゴルフでバックスピンで戻るほどのスピン量とは?
グリーン上でボールがピン方向に向かって戻るほどのスピンをかけるには、相応のスピン量が必要です。
一般的な目安としては、毎分10,000回転(10,000rpm)以上のスピン量が必要とされています。
ただし、実際にボールが戻るかどうかは、グリーンの硬さ・芝の状態・傾斜などのコンディションによっても大きく左右されます。
高スピンを実現するためには、一般的なヘッドスピードのプレーヤーであっても、スピン性能が高いウェッジとボールを使用することが必要です。
バックスピンはダウンブローの習得が大切!まずは正しいスイングから!
バックスピンは、弾道の高さやグリーン上での止まり方をコントロールする重要な要素です。
効果的にスピンをかけるには、クラブフェースとボールがしっかり擦れるダウンブローのインパクトが必要です。
いくら高性能なクラブやボールを使っても、正しいスイングフォームが身についていなければ、十分なスピンはかかりません。
特に、安定したスピン量を継続的に出すには、再現性の高いスイングが不可欠です。
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パーソナルレッスンだと回数制であることが多く、上達できないまま卒業になってしまう恐れも。
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\楽しみながら基礎が身につく!/