こんにちは!チキンゴルフ編集部です。
ゴルフのレッスンでは「ベタ足スイングが安定する」と教わることが多いため、ヒールアップが発生すると「悪いクセ」として直そうと努力する方も多いのではないでしょうか?
しかし、ゴルフのヒールアップは正しく理解して適切に活用すれば、飛距離アップや方向性の改善につながる有効な技術です。
そこで本記事では、ヒールアップの基本的な概念からメリット・デメリット、使い分け方まで詳しく解説します。
より安定した飛距離アップとスコア向上を実現したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。
ゴルフにおけるヒールアップとは?
ゴルフのヒールアップとは、バックスイング時に左足のかかとが地面から浮き上がる動作を指し、体の回転や体重移動に伴って自然に発生する現象です。

この動作は意図的に行う場合と無意識に浮いてしまう場合の2つのパターンがあり、どちらも決して悪いものではありませんが、浮く度合いは最小限に抑えることが有利とされています。
体の捻転に伴って左足かかとが浮くのは、右側への体重移動と腰の回転が連動して起こり、特に体の硬い方や飛距離を求める際には、十分な捻転を得るためにヒールアップが発生しやすくなります。
現代のゴルフレッスンでは、安定性を重視してベタ足(両足を地面につけたまま)でのスイングが推奨される傾向にありますが、個人の体型や柔軟性に応じて適度なヒールアップは有効です。
なお、ゴルフの用語では、クラブヘッドのヒール側(※)を地面から浮かせてアドレスする技術も「ヒールアップ」と呼ばれることがありますが、本記事では足のかかとの動きに関するヒールアップについて解説いたします。
※ヒール側:クラブヘッドのシャフトに近い部分
ヒールアップを取り入れているプロの一例
往年のプロゴルファーには、ヒールアップを積極的に取り入れて大きな成果を上げた選手が数多く存在し、その背景には当時のゴルフクラブの特性が大きく影響しています。
- 樋口久子
- ジャンボ尾崎
- ジョニーミラー
スチールシャフトが主流だった時代は、クラブ自体の重量が現在の約1.5倍もあり、かつ長さも短かったため、十分な飛距離を得るには思い切り振りかぶる必要がありました。
その結果、自然とヒールアップを伴う大きなスイングが主流となったのです。
現代ではカーボンシャフトの普及により軽量化が進み、長尺ドライバーも一般的になったため、より安定性を重視したベタ足スイングが推奨されています。
ゴルフでヒールアップが起こる主な3つの原因
ゴルフでヒールアップが起こる原因は、主に以下の通りです。
原因 | 詳細 |
---|---|
股関節や足首の柔軟性不足 | 股関節の可動域が狭いため、十分な捻転を行うためにヒールアップになる |
体重移動の意識違い | 右足への体重移動を過度に意識しすぎることで、左足への負荷が軽減されてかかとが浮く |
オーバースイング・トップが深すぎる | 必要以上に大きなバックスイングを行うことで、バランスを保つためにヒールアップが生じる |
股関節や足首の柔軟性不足は最も一般的な原因で、特に運動習慣の少ない方や年配のゴルファーに多く見られる傾向です。
関節が硬いと、ベタ足のまま十分な捻転を行うことが困難になり、バックスイングで必要な体の回転を確保するために無意識に左足かかとが浮いてしまいます。
さらに、飛距離を追求するあまり力んでしまうと、本来必要な動作以上に体重移動や深いトップポジションを作ろうとして、結果的にバランスを保つために左足が浮いてしまう場合も。
この現象は特に初心者から中級者に多く、スイングの力加減やリズム感が身についていない段階で起こりやすいといえます。
ヒールアップの原因を解決するためには、正しい体重移動やスイング幅を身につけることが重要です。
ヒールアップのメリット
ゴルフのヒールアップは、必ずしも悪いクセという訳ではなく、以下のようなメリットもあります。
多くのゴルファーがヒールアップを「悪い動作」と捉えがちですが、適切に行えば技術向上に有効な手段となり得ます。
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
地面反力による飛距離アップ
ヒールアップによって左足かかとを浮かせることで、ダウンスイング時の地面への踏み込み動作が発生し、地面から反発する「地面反力」(※)を最大限に活用できるようになります。
※地面反力:地面を押す力に対して地面から返ってくる反作用の力
具体的なメカニズムは以下の通りです。

この一連の動作によって回転エネルギーと前方への押し出す力が同時に生まれ、結果としてヘッドスピードが大幅に加速するのです。
そのためヒールアップは、特に筋力に頼らず技術で飛距離を伸ばしたいゴルファーにとって、有効な手段の1つといえるでしょう。
スイングの安定性やタイミングの向上
意図的にヒールアップを取り入れることで、スイング全体のリズムとタイミングが自然に整い、特に力みによるミスショットの大幅な減少が期待できます。
かかとを浮かせることによってバックスイングに適切な「間」が生まれ、この一瞬の静止状態が過度な力みを防ぐ効果をもたらします。
この間によって、下半身→上半身→腕→クラブという理想的な連動順序が自然に発生しやすくなり、手打ちや早い切り返しといった典型的なミスパターンを回避できます。
結果として、スイング全体のリズムが安定し、特に力みが原因となるスライスやダフリなどのミスショットが大幅に減少する効果が期待できるのです。
ヒールアップのデメリット|初心者が注意すべきリスク
ヒールアップには飛距離向上などのメリットがある一方で、特に初心者にとっては以下のようなデメリットもあります。

これらのデメリットを理解せずにヒールアップを取り入れると、かえってスコアが悪化する可能性があります。
以下で詳しく解説する各リスクを把握し、ヒールアップが自分に適しているのか確かめましょう。
バランスを崩す傾向がある
ヒールアップによって左足かかとが浮くと、身体の重心が一時的に不安定になり、スイング全体のバランスを崩す原因になります。
特にバックスイング中に軸足である右足へ過剰に体重が移動すると、トップ位置でのふらつきやスウェー(左右揺れ)が起きやすくなります。
この不安定な状態でヒールアップのままスイングを切り返すと、軸がズレたままダウンスイングに突入することになり、インパクト時の精度が低下してしまいます。
その結果、ボールの芯を捉えられずに飛距離が出ない、または狙った方向とは全く異なる方向にボールが飛んでしまうといった問題が頻発するでしょう。
初心者の段階では、まず安定した軸の確立が最優先であるため、意図的に過剰なヒールアップを行うのは避けるのが理想的です。
リズムが乱れミスショットにつながる
ヒールアップは本来、スイングリズムを整えるために「意図的に」行う高度な動作ですが、無意識に発生するヒールアップはかえってリズムを崩す原因となってしまいます。
特に基本的なスイングリズムが身についていない初心者にとって、この予期しない動作は混乱を招く要素となりがちです。
- ダフリ:切り返しタイミングの遅れによる早すぎる最下点
- トップ:急激な動作修正による打点の上昇
- スライス:フェース開閉のタイミングずれによる開いたインパクト
- 引っかけ:過度な修正によるフェースの閉じすぎ
バックスイング中に急激にかかとが浮いたり、浮いたかかとを戻すタイミングが適切でなかったりすると、切り返しに余計な「間」が生じてスムーズに下ろせなくなります。
その結果、クラブの振り下ろしのタイミングがズレて、フェースの開閉ミスやダフリ・トップなどの接触ミスが生じてしまいます。
初心者の段階では、まずは一定のリズムでスイングできるようにリズムを乱す要因となるヒールアップは控えるべきでしょう。
再現性が低下し安定しにくくなる
ヒールアップをすると、体の接地面(特に左足)が浮くため、スイング中の軸が不安定になり、毎回同じスイングを再現することが困難になってしまいます。
ゴルフの上達において「再現性」は最も重要な要素の1つであり、この要素が損なわれるとスキルアップの妨げになるでしょう。
特にインパクト時にかかとが地面に戻らないままスイングしてしまうと、体の回転軸が左右・上下にズレやすくなり、その結果同じ条件で打っても異なる球筋が出る「再現性の低いスイング」になってしまいます。
初心者の場合は、まずは基本的なスイングを身につけるため、再現性を阻害するヒールアップは避けるのが望ましいです。
ゴルフのヒールアップを解消する効果的な直し方【練習ドリル】
ヒールアップの解消には、バランスディスクを使用した練習ドリルがおすすめです。
具体的な練習は、以下の手順で行いましょう。

このドリルは、左足のかかとを強制的に地面に保持する環境を作ることで自然な改善が期待できます。
物理的な制約により、体が自然とヒールアップを避けようとするため、その結果としてヒールアップを避けたスイングが身につくのです。
ただし、完全にヒールアップをなくす必要はなく、以前よりもかかとの浮きが抑えられていれば十分な改善といえます。
そもそも問題のあるヒールアップは、頭の上下動が目立ち、ダフリやトップといったミスショットに直結している場合です。
自分のヒールアップの程度や頭の上下動を正確に把握したい場合は、インドアゴルフのシミュレーターを活用することをおすすめします。
客観的なデータに基づいた改善により、より効率的な技術向上が期待できるでしょう。
【クラブ別】ゴルフのヒールアップの使い分け
ヒールアップは、使用するクラブによって使い分けることで、リスクを最小限に抑えたプレーが可能になります。
具体的な使い分けは、以下の通りです。
具体的なクラブごとの詳細な活用方法とその理由について詳しく見ていきましょう。
ドライバー:飛距離を重視するなら活用する
ドライバーは飛距離を最も重視するクラブであるため、大きな捻転や体重移動を可能にするヒールアップが有効になるケースが多いです。
特に柔軟性がないゴルファーにとっては、トップで左足かかとを浮かせることで体の可動域を補うことができ、無理な力みなくリズムよくスイングができるようになります。
ただし、ドライバーでヒールアップを活用する際は、インパクト時に左かかとがしっかりと地面に戻っていることが重要です。
かかとが浮いたままインパクトを迎えると、体重が右足に残ったままの「手打ち」状態になったり、フェースが開いたままのインパクトになったりすることも。
そのため、「戻すタイミング」の練習が不可欠であり、切り返しと同時に左かかとを積極的に踏み込む動作を身につける必要があります。
アイアン:基本的には避ける
アイアンは方向性と再現性が最重視されるクラブであるため、ヒールアップによるスイング軸のブレやタイミングのズレは、打点ミス(トップ・ダフリ)に直結するリスクが高まります。
アイアンショットでは「わずかにかかとが浮く程度」で済ませるのは許容範囲内ですが、意図的な大きなヒールアップは避けるべきです。
逆に、ヒールアップを完全に封じるために強制的にベタ足にしすぎると、以下のような別の問題が発生する可能性があります。
- 体の回転が制限され、手打ちになりやすい
- 下半身が固まりすぎて上半身との連動が悪化
- 無理な力みにより、かえってミスショットが増加
適度な足の動きは必要であるため、完全な固定よりも「控えめな動き」を心がけることが重要です。
アプローチ(AW,SWなど):活用しない
アプローチショットでは、「安定した下半身」と「正確な距離感」が重要な場面です。
ヒールアップによる下半身の揺れや上下動は、スピン量・高さ・距離の再現性を損なうため、プロゴルファーであっても基本的に活用しません。
特にグリーン周りの繊細なアプローチでは、ピンまでの距離を数ヤード単位で調整する必要があるため、下半身の安定は絶対条件といえます。
わずかな動作の変化が結果に大きく影響するため、ベタ足で構えるようにしましょう。
ゴルフでヒールアップを取り入れるべき人とベタ足が適している人の特徴
ヒールアップとベタ足それぞれが適している人の特徴は、以下の通りです。
ヒールアップを取り入れるべき人 | ベタ足が適している人 |
---|---|
・ 飛距離を伸ばしたい人 ・柔軟性に不安がある中高年層 ・ リズムに「間」を作りたい人 | ・安定性と再現性を重視する人 ・アイアンやアプローチの精度を重視する人 ・オーバースイングになりやすい人 ・初心者・スイングが固まっていない人 |
ヒールアップは主にパワーや飛距離を求める場面で有効であり、特に身体の制約がある方には代償動作(※)として機能します。
※代償動作:本来の動作が制限された際に、目的を達成するために体が自然に選択する別の動作パターン
一方、ベタ足はスキルの安定性や再現性を最優先とする場面で効果を発揮し、特に初心者が基礎技術を身につける段階では不可欠な要素です。
自分がどちらのタイプに該当するかを見極めて適切な構えを行うことで、効率的な上達が期待できるでしょう。
ゴルフのヒールアップを正しく理解して効果的に活用しよう!
ゴルフのヒールアップは決して悪い癖ではなく、適切に理解して活用すれば飛距離向上や体の制約を補う有効なスキルです。
しかし、意図せず生じてしまっている場合は、スイングの不安定要素となり、ダフリやトップなどのミスショットの原因となってしまいます。
自分のスイングを客観的に分析し、個人の特性に応じてヒールアップを活用するか否かは、経験豊富なインストラクターの指導を受けることが最も確実な方法といえるでしょう。
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