グリップはクラブと体を繋ぐ唯一の接点であり、正しい握り方を習得することはスイングの土台を築き上げるために欠かせない要素です。
だからこそ適切な握り方ができていないことが、あらゆるミスの原因になっている可能性も考えられます。
本記事ではチキンゴルフ編集部が、ゴルフクラブの一般的な握り方やミスごとの改善ポイントを詳しく解説していきます。
他のクラブとは少々握り方が異なる「パターの握り方」についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください!
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ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。
ゴルフクラブの握り方がアドレスの8割を決める!
ゴルフクラブの握り方(グリップ)は、アドレス全体の8割を決めると言われているほど重要な要素です。
スイングの土台となる握り方を間違えてしまうと、アドレスやその後のスイングも正しい形で行えず、以下のようなミスにつながる恐れがあります。
【間違ったグリップのデメリット】
- クラブフェースが過剰に開閉してしまう
- スイング軌道が乱れる
- 手打ちになりやすい
特に初心者は、グリップの重要性を理解せずに自己流で握りがちですが、これがミスショットを繰り返す大きな原因となっています。
ゴルフクラブの握り方は主に3種類
ゴルフクラブの主な握り方は下記の3種類です。

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自分に合ったグリップを見つけ、一貫性を持って練習することが大切です。
①オーバーラッピンググリップ

オーバーラッピンググリップは、右手の小指を左手の人差し指と中指の間に乗せる方法です。
両手が一体となりスイングの安定性が期待できる握り方で、多くのゴルファーが採用しています。
メリット | ・球種のコントロールがしやすい ・握る強さを適度に保ちやすい |
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デメリット | ・手が小さい人は握りにくい ・グリップの安定感が不十分に感じる |

意図的に曲げたり高さを調整したりする際に、この握り方だと調整しやすくなります。
②インターロッキンググリップ


インターロッキンググリップは、右手の小指と左手の人差し指を絡ませる握り方です。
ジャック・ニクラスやタイガー・ウッズなどの著名なゴルファーが採用しています。
メリット | ・両手の一体感がある ・手が小さい人も振りやすい ・スイング時のブレを軽減できる |
デメリット | ・右手の小指に負荷がかかる ・グリップが強くなりすぎてしまう |



特に手の小さい人や、握力が弱めな女性におすすめの握り方です。
③テンフィンガーグリップ


テンフィンガーグリップは、両手の指をすべて使ってクラブを握る方法です。
野球バットの握り方と一緒なので、初心者でも違和感なく握れるところが大きな特徴。
メリット | ・飛距離が出やすい ・指を痛めにくい |
デメリット | ・一般的な握り方ではないので指導者が少ない ・左へのミスが増える可能性 |



チキンゴルフではあまり推奨している握り方ではありませんが、力が入りやすいこともあってこの握り方をしているプロも一部います。
ゴルフクラブを握る手順
ゴルフクラブを握る手順は、以下の通りです。
①フェースを正しい向きに向ける
②指2本分空けた場所に左手を握る
③右手を左手の上に置く
クラブを握る前に、フェースのリーディングエッジがターゲット方向に対して直角に向いているかを必ず確認しましょう。





【リーディングエッジとは】
フェースの最下部の箇所。フェースとソールの境界線に当たります。
まず左手から握りますが、握る場所は指2本分ほど空けた場所になります。
指のくぼみに沿って握ることで、正しい握り方ができます。


自分から見たときにグリップの左斜め上から握るようにし、以下2点を満たしていればOKです。
①親指と人差し指でできるVの線が、
右肩を向くように握る
②自分から見て左手の中指のナックル
(指の付け根の骨)まで見えるように握る




左手の親指を覆うようにして右手を握ります。
この際に、右手の親指と人差し指でできる線が右肩を向くように握れていればOKです。


それぞれの手でクラブを握る際は、力いっぱい握りすぎないように気を付けましょう。おおよそ3~5割ほどの力加減で問題ございません。
正しい握り方を覚えるためのおすすめゴルフグッズ
グリップの正しい位置を覚えたい人は、「グリップ先生」というゴルフグッズがおすすめです。






表面には指の正しい位置が凹凸で示されており、手を置くとその凹凸に指が自然と収まるように設計されています。
また、グリップ先端にはバランスウェイトが内蔵されており、クラブヘッドの重みを意識しながら練習できます。
下記の大手ゴルフショップやECサイトで1,000円前後で購入も可能なので、初心者におすすめの練習器具です。
- ゴルフ5
- ゴルフパートナー
- 楽天
- Amazon
チキンゴルフではレッスンの際にこの「グリップ先生」を活用し、グリップの基本を身につけてもらっています。
初心者にありがちな握り方
初心者にありがちな握り方は下記の通りです。
- 左手の甲が目標方向に向いている
- テンフィンガーで握っている
まず左手の甲がターゲット方向に向くウィークグリップは、フェースが開きやすいのでスライスの原因になることが多いです。


また指10本で握るテンフィンガーグリップも、利き手に余計な力が入りスイングの安定性を損なう可能性があります。
どちらもあえてその握り方をするゴルファーもいますが、初心者が最初に覚える握り方としてはあまりおすすめできません。
ミスの種類に応じた握り方・解決法
多くのゴルファーが悩む「スライス」と「フック」も、握り方で解決できる可能性があります。
スライス
スライスとはボールが大きく右に曲がってしまう現象で、多くの人が悩むミスです。
スライスの主な原因は、インパクト時にフェースが開いた状態になること。
適切なフェースローテーション(※)ができていないと、クラブヘッドがボールを捉える際に斜めから当たってしまい、ボールに右への回転が加わります。
※ゴルフスイング中にクラブフェースを開閉させる動作
スライスを改善するにはストロンググリップ、つまり左手をグリップの内側に入れる方法が推奨されます。


このグリップ方法を採用することでインパクト時のフェースの開き具合を抑え、適切なフェースローテーションが可能になります。
フック
フックとはボールが大きく左へ曲がってしまう現象で、過度なフェースローテーションが主な原因です。
インパクト時にクラブフェースが余りにも閉じすぎてしまうとボールに強い左への回転がかかり、結果としてフックが発生します。
フックを出してしまう場合は下記画像のように、左手のグリップを通常より外側に持つウィークグリップを採用してみましょう。


このグリップ方法を取ることでインパクト時のフェースの閉じすぎを抑制でき、ボールに適度な右への回転をかけられます。
パターのグリップの主な握り方3種類


パターのグリップの代表的な握り方は、下記3種類になります。
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パターには特有の精度と安定性が求められるため、他のクラブと異なる握り方をする人も多いです。
さまざまな握り方がありますが、あくまで自分のイメージと近い転がり方をしてくれる握り方をフィーリングで決めて問題ありません。
①逆オーバーラッピング




メリット | ・利き手の感覚を重視して打てる ・両手で挟むことによる安定感がある |
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デメリット | 手首の動きに左右されやすい |
「逆オーバーラッピング」は通常のオーバーラッピングと比べて、利き手の握る範囲を広げる握り方です。
具体的には、左手の人差し指を右手の小指と薬指の間に乗せる形で握ります。
この握り方は、利き手の感覚を生かしてタッチをしたい人におすすめです。
またパターのフェースがスクエアに保たれやすく、方向性の向上にも寄与します。
②クロスハンドグリップ




メリット | 肩の振り子の動きを重視して打てる |
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デメリット | 構え方が普通のグリップと大きく異なるため慣れが必要 |
「クロスハンドグリップ」は、左手を下に右手を上にして握るスタイルです。
手首の動きを抑えて、フェースがスクエアな状態を保ちやすくなります。
プロゴルファーの間でも広く採用されており、特に短いパットでの精度を求める際に有効。
最初は違和感を覚えるかもしれませんが、練習を重ねることで自然に感じられるでしょう。
③クローグリップ




メリット | ・利き手の動きを抑制して打てる ・肩の振り子の動きを重視して打てる |
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デメリット | グリップが不安定になりやすい |
「クローグリップ」は右手の親指と人差し指で軽くつまむようにし、他の指やシャフトに沿わせる形を取ります。
手首の動きを制限し、肩や腕全体を使ったストロークを重視したい人向けに考案された握り方です。
最初は違和感があり微妙なタッチが出しにくい場合もあるため、十分な練習と慣れが必要となります。
ゴルフクラブの握り方を意識して上達を目指そう
ゴルフクラブの握り方は、プレーの成功に直結する重要な要素とも言えます。
適切な握り方を習得することで、スイングの安定性やショット精度の向上が期待できるでしょう。
ただ闇雲に練習するだけでは上達は難しいため、まずは代表的なクラブの握り方を理解し自分に最適な方法を見つけることが重要です。
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しかし正しい握り方ができていると思っていても、意外と間違った握り方になってしまっていることも考えられます。
クラブの握り方やそのほか不安な点がある人は、ぜひチキンゴルフの体験レッスンで一度ご相談ください。