「ユーティリティをどのような場面で使うのが良いかわからない。」
「ユーティリティで打っても全然ボールに当たらなくて恥ずかしい。どうにかしたいけど何がいけないの?」
正しい打ち方や使い方がわからず、思ったような飛距離やコントロール性が出せないと感じている人も多いでしょう。
ユーティリティはアイアンとフェアウェイウッドの中間的な役割を果たし、ラフやバンカーからの脱出など様々な場面で活躍するクラブです。
適切に使いこなすことができれば、プレーの幅を大きく広げる強力な武器となるでしょう。
本記事ではユーティリティの特徴から打ち方の注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。
ユーティリティ(UT)の特徴
ユーティリティはフェアウェイウッドとアイアンの飛距離差を埋めるためのクラブで、欧米では「ハイブリッド」と呼ばれることもあります。
打ちやすさとボールの上がりやすさを追求しており、ヘッドの形状が「ウッド型」と「アイアン型」の2種類ある点が特徴。
ウッド型はラフやバンカーからも打ちやすく、アイアン型は強い弾道を打ちやすい魅力があります。
フェアウェイウッドに似た感覚で使用できて扱いやすいことから、最近はウッド型を利用する人が多いです。
型 | ヘッド形状 |
ウッド型 | フェアウェイウッドに 似ている |
アイアン型 | アイアンに似ている |
ユーティリティはドライバーやアイアンほど必須のアイテムではないため、クラブセットに含めなくても問題はありません。
ただ飛距離も安定性も両立させた万能なクラブなので、主に下記2つの理由で多くのゴルファーのクラブセットに採用されることが多いです。
- 一番番手の大きいアイアンとフェアウェイウッドの間の距離を埋められるクラブが欲しい。
[状況]
5番アイアンが170ヤード・5Wが200ヤード飛ぶが、180~190ヤードを打てるクラブがない。 - ロングアイアンのショットが安定しないためその代替が欲しい。
[状況]
5番アイアンでミスショットが多いため、同等の距離を飛ばせるユーティリティにしたい。
ユーティリティには通常、番手(※)とロフト角(※)が記されています。
※1:ゴルフクラブの飛距離性能に関する序列を示す番号のこと
※2:クラブフェースの傾きの度合いを示す角度のこと
これらはメーカーやモデルによって異なりますが、選択の際に特に注目すべきはロフト角です。
一般的にユーティリティのロフト角は、アイアンより2〜4度小さく、フェアウェイウッドより2〜4度大きいものを選ぶとバランスが取れます。
間を埋める場合、あるいは代替する場合の両方において、自身のクラブのロフト角を把握しておくと適切なクラブ選びができるようになるでしょう。
ユーティリティの使用場面
ユーティリティは、下記のようなあらゆる場面で使用できます。
- ティーショット
- フェアウェイ
- ラフ
- バンカー
- アプローチ
ラフとバンカーから打つのは、ショートアイアンよりも難しいですがフェアウェイウッドやロングアイアンよりは適しているでしょう。
このような場面からでも飛距離を稼ぎたい時には、ユーティリティがおすすめです。
ただし深いラフや目玉のバンカーは、ロフトが立っているユーティリティだと芝生や砂の抵抗を受けやすいので、ショートアイアンで脱出するのが良いでしょう。
深いラフ・目玉のバンカーの写真
少々変わった使い方になりますが、アイアンよりもソール幅が広くダフる(※)心配が少ないため、グリーン回りのアプローチショットにおいても有効です。
※ボール手前の地面を叩きスイングの勢いがなくなること
ユーティリティの基本的な構え方・打ち方
ユーティリティはアイアンやフェアウェイウッドと比べて、特別スイングのやり方を変える必要はありません。
アイアンやフェアウェイウッドと同じく「ダウンブロー」で打つことで、クリーンにクラブをボールを当てることができます。
ヘッドの形状やシャフトの長さが他クラブと異なりますが、下記の「アドレス時のポイント3つ」を調整することで、正しい打ち方でボールを打てるようになります。
ボールの位置
ユーティリティを使用する際、ボールは「両足の真ん中〜1・2個分左足側」の範囲に置きましょう。
アイアンよりもシャフトが長いため、少し左足側に寄せて問題ありません。
むしろこの位置にボールを置くことでクラブヘッドがダウンブローでボールに当たり、理想的な弾道を生み出すことができます。
スタンス幅
スタンス幅は、拳3つ分ほど空けましょう。
アイアンよりもシャフトが長めなので、少し広めに取ることが大切です。
広めのスタンスは安定性を高め、より力強いスイングを可能に。
またシャフトが長いことによる影響を補正し、適切なインパクトポイントを作り出すのにも役立ちます。
足幅によって動きが制限されたり安定性が失われたりするので、気を付けましょう。
体重配分
体重配分は、左右の足に均等に5:5で乗せるようにしてください。
両足に均等に体重をかけることで、スイング中のバランスが保たれ、ミスショットのリスクを減らせます。
ユーティリティを打つ際に初心者に多いミスと改善するコツ
ユーティリティを打つ際、初心者の場合下記のようなミスが多いです。
クラブの扱いが難しく思うようにボールが飛ばず、フラストレーションがたまる経験をした人もいるはず。
しかしよくあるミスの原因を理解し適切な改善策を実践すれば上手く使いこなせ、飛距離・コントロール性もアップするでしょう。
ボールに当たらない
ユーティリティを打つ際、初心者によく見られるミスは「ボールに当たらない」ことです。
このミスの主な原因は、ドライバーと同じボール位置にセットしていることが挙げられます。
ユーティリティ
ドライバー
ヘッドの形状はドライバーに似ていますが、同じように左脇の線上にボールをセットすると、ヘッドがボールに当たらずに空振りしてしまう可能性も。
ユーティリティの正しいボール位置は、中心から1~2個分程度左足側に置く状態なので打つ前にボールの位置を確認しましょう。
トップする
「トップする」こともユーティリティを打つ際、初心者に多いミスです。
同じくヘッドの形状がドライバーに似ているため、ドライバーと同じようにアッパーブローで打とうとする誤った認識が原因でトップする癖が生まれます。
ユーティリティはダウンブローで打つ必要があり、むしろアイアンに近い振り方をイメージするのが良いでしょう。
アッパーブローとダウンブローの違い
アッパー ブロー | クラブヘッドがスイング軌道の 最下点を過ぎてから ボールに当たる打ち方 |
ダウン ブロー | クラブヘッドがスイング軌道の 最下点に到達する前に ボールに当たる打ち方 |
クラブによって打ち方を調整することが、大切なポイントとなります。
ユーティリティを極める練習方法
ユーティリティを使いこなすためには、段階的なスイング練習が重要です。
ビジネスゾーンからハーフスイング、そしてフルスイングへと徐々にスイング幅を広げていく方法がおすすめ。
ビジネスゾーンとは、シャフトが地面と平行になる振り幅の範囲のことで、スイングの中でも特にインパクト前後の短い区間を指します。
フェースの向き・角度に注目し、ボールをクリーンに捉えることを心がけましょう。
特にユーティリティはフェアウェイ以外の場面でも打つことになるクラブです。
シチュエーションが変わっても安定して打てるようになるためには、ビジネスゾーンの振り幅で的確にミートできる状態にすることがとても大事です。
ユーティリティの打ち方をマスターして上手くつかいこなそう
ユーティリティの打ち方は、アイアンやフェアウェイウッドと大きく変わらず、ダウンブローで打つことが重要です。
ボール位置やスタンス幅・体重配分を適切に設定することで結果的にダウンブローで打てるようになり、自然と正しいスイングが身に付きます。
ユーティリティが安定すると、あらゆる場面で飛距離と正確性を両立したショットが選択肢に入るようになり、スコアアップや新たなゴルフの楽しさにつながるでしょう。
ただしドライバーと同じような打ち方をするといった、誤った認識を持ちやすいので注意が必要です。
正確な打ち方を習得するには、専門的な知識を持ったインストラクターから指導を受けることがおすすめです。
ユーティリティの正しい打ち方を意識し継続的に練習することで、ゴルフの新たな魅力を発見し、プレーの幅を広げられるでしょう。
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