ダフるとは何の略?意味や語源
ダフるとは、ゴルフにおいてボールの手前の地面にクラブヘッドが先に接触してしまうミスショットのことです。
この現象は正式には「ダフリ」と呼ばれ、英語圏では「Fat Shot(ファットショット)」として知られています。

「ダフる」は略語ではなく、英語の「duff」が語源となったゴルフ専門用語です。
語源となった「duff」は、元々「粗悪な、質の悪い」という意味を持つ英単語で、ゴルフにおいては「ミスショット」全般を指す表現として使われていました。
ダフリが発生すると、ボールにきちんと力が伝わらないため、飛距離が落ちたり打球の方向が乱れたりします。
練習場のような平らで人工マットが敷かれた場所では気づきにくく、実際の芝や地面があるコースに出て初めて「ダフっていたんだ」と認識するケースも少なくありません。
また、目立つミスのため精神的なショックにもつながり、自信を失うきっかけになることもあります。
特に初心者の方は「練習場ではうまく打てるのになぜ本番でだけこんなミスをするんだろう?」と戸惑いがちです。
しかし、ダフリは初心者だけに起こるものではなく、プロや上級者でも起こりえる一般的なミスです。
失敗=下手ではないため、失敗をきっかけに再現性のある動きへとつなげていきましょう。
ゴルフでダフリが出る原因

ダフリにはさまざまな要因が絡んでいますが、大きく分けると以下のような原因が挙げられます。
ダフるときは、アドレスからインパクトまでの姿勢や動作にエラーが生じていることが多いです。
まずはスイングの土台となる握り方やアドレスから見直し、動作中のエラーは映像を通して確認すると良いでしょう。
ボールの位置やグリップの握り方が間違っている
ダフリの最も基本的な原因は、アドレス時のボール位置とグリップです。
ボールの位置がズレるだけで、クラブヘッドの最下点とインパクトのタイミングが合わなくなり、ボール手前の芝を叩いてしまいます。
例えば、ボールを左に置きすぎると、スイングの最下点を過ぎてからインパクトを迎えるため、クラブが上がり始めた状態で当たってしまい、十分な力が伝わらなくなります。
逆に右寄りすぎると最下点の前にクラブが地面に当たり、いわゆる手前ダフリが起きやすくなります。
対策としては、まずクラブごとに適正なボール位置を確認することがポイントです。
- ショートアイアンではスタンスの中央寄り
- ミドル〜ロングアイアンではやや左寄り
- ドライバーでは左かかと線上
この基本を守るだけでもインパクトが安定しやすくなります。
また、グリップも重要です。
握り方が間違っていると、正しいスイング動作ができていても適切なインパクトができなくなります。
正しい握り方を習得することは、スイングの土台を築き上げるために欠かせない要素です。
グリップの基本については、以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
左右・上下に軸ブレをしている
スイング中の軸ブレも、ダフリの代表的な原因です。
特に左右へのブレが大きいと、インパクトごとにボールとの距離が変わり安定したコンタクトができません。

また、上下方向のブレ、つまり頭が上下に動くと、クラブの入射角が一定にならず、ボール手前の芝を叩く確率が高まります。
理想は頭と背骨を軸にして、スイング中も頭の位置が大きく動かないこと。
軸をキープすることで、インパクトの再現性が高まり、ダフリが減っていきます。
以下の記事でゴルフスイングについて解説していますので、参考にしてみてください。
体重移動がうまくできていない
スイングでは体重移動のタイミングも重要です。
ダウンスイングのときに右足体重のままだと、クラブヘッドが最下点を迎える前に地面に落ちてしまい、ダフリが発生します。
【OK例】

【NG例】

逆に、体を左に突っ込みすぎると、クラブが鋭角に入りすぎて深く芝を叩いてしまうケースもあります。
理想は、トップからダウンにかけて自然に左足へ体重が移り、インパクトと最下点が一致する形。
下半身リードのスムーズな体重移動を意識することで、ミスショットを防ぎやすくなります。
ゴルフの体重移動は以下の記事で詳しく紹介しています。
キャスティングしてハンドレイトのインパクトになっている(手打ち)
キャスティングとは、ダウンスイングの早い段階で手首の角度をほどいてしまう動きのことです。
【OK例】

【NG例】

クラブヘッドが早くリリースされるため、最下点がボールの手前に来てしまいダフリを誘発します。
さらに、この状態ではハンドレイト(手元がヘッドより後ろ)でインパクトするため、力が伝わりにくくスピンも不安定になります。
対策としては、手首の角度を保ったまま体の回転で打つ意識を持つこと。
手先ではなく体全体で振るイメージがインパクトを安定させるカギです。
キャスティングを防ぐためには、インパクトで手元がヘッドより先行するハンドファーストを意識することが重要です。
ハンドファースト・ハンドレイトについて詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
ゴルフのダフリを解消するにはどうしたらいい?直し方を解説
ダフリの原因を一つずつ修正しようとすると、かえってフォームが崩れたり、プレー中に意識が散漫になってしまいます。
根本的に改善するには、以下を参考に正しいスイングを身につけることが重要です。
- アドレス(構え)の姿勢を見直す
- 背骨の角度を変えないようにスイングを意識する
- ダウンスイングで左足に重心が乗るようにする
- ハンドファーストのインパクトにする
これらを意識することで、ドライバー以外のクラブはダウンブローでインパクトを迎えることができます。

ダウンブローでインパクトできれば、インパクト後にリーディングエッジが地面に到達するので、ダフリを避けることができます。
しかし自分のフォームを客観的に見るのは難しいため、プロのレッスンを受けたり、シミュレーターの映像を確認するのも一つの手段です。
「ダフる」に関するよくある質問
ここでは、「ダフる」に関して寄せられる以下の質問について、詳しく解説します。
それぞれの質問について、以下で詳しく見ていきましょう。
アイアンやドライバーでのダフリの原因は?
アイアンとドライバーではクラブの構造と打ち方が根本的に違うため、ダブりの原因も異なります。
アイアンは「ダウンブロー」で打つ設計のクラブであり、鋭角な軌道でスイングするため、わずかな軸のブレや体重移動の乱れが直接的にダフリにつながりやすくなります。
- ボール位置が合っていない(自分から見て、体の中心より左に置きすぎ)
- 体重移動が不十分で右足体重のまま打っている
- キャスティング(手首がほどけ、ヘッドが先行する)
- ボールに突っ込みすぎてクラブの最下点がズレる
アイアンショットでは地面に直接置かれたボールを打つため、クラブの最下点の精度が結果に直結します。
このため、アイアンでは特に「軸の安定性」と「インパクト時における左足側への適切な重心移動」がダフリを防ぐポイントです。
一方、ドライバーショットでは、ボールがティーアップされているため、多少のダフリが発生しても影響が少ないです。
しかし、打点がズレれば方向性や飛距離が大きく落ちるため、スイングリズムを一定に保ち、軸をキープすることが重要です。
急にダフリが出始めたときは、まずアイアン特有の「最下点のズレ」を疑い、アドレスや体重移動をチェックするのが効果的です。
ゴルフで絶対にダフらない方法はある?
ゴルフでは、状況やコンディションによってミスが生じる可能性があるため、絶対にダフらない方法は存在しません。
ただし、ダフリの確率を大きく減らす方法はあります。
大事なのは、インパクトの再現性を高めること。
そのためには以下の基本を徹底するのが効果的です。
- アドレスの基本を徹底する(ボール位置・グリップ・姿勢を安定させる)
- 体重移動とハンドファーストを意識する(最下点をボールの先に)
- スイングリズムを一定にする(力まず自然な動きを保つ)
この3つを身につけることで、スイングの軌道とインパクトが安定し、ダフリは大幅に減らせます。
完璧を目指すのではなく、ミスの幅を小さくすることが上達の近道です。
ダフる悩みは基本の見直しで解決しましょう
ダフリの原因を突き詰めていくと、スイングの基本が崩れていることがほとんどです。
腕の下ろす位置を調整してみるなど、その場しのぎの対処をするよりも、基本に立ち返ることが最大の近道になります。
ゴルフのスイングは一連の流れが連動して成り立っているため、一つでもズレると全体のリズムが崩れてミスにつながります。
実際のラウンドで継続的にダフリが生じてしまう人は、ゴルフスクールでスイングの基本を見直してもらうのがおすすめです。
チキンゴルフでは、体験レッスンでダフリの原因となっているスイングのエラーをアドバイスすることができますので、お悩みの方はぜひ体験レッスンにお越しください。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。


