「フライヤーって何?起こる原理は?」
「どう対処すればスコア崩れが防げる?」
フライヤー(flyer)とはラフ※などでクラブとボールの間に芝が挟まることで、スピン量が減って通常よりも飛距離が出てしまうことを意味します。
※フェアウェイやグリーン周りの芝が長く伸びた部分
10~20ヤード飛距離が伸びることによってグリーンを捉えられずスコア崩れに繋がるので、あらかじめ対処法を知って戦略を練ることが大切です。
そこで本記事では全国33店舗を展開するゴルフスクールであるチキンゴルフの目線から、フライヤーが起こる原因と対策方法について解説!
ラフの状態からフライヤーが起こるかどうかを予測できるようになるので、リスクヘッジしながらプレーできる知識が身につきます。
フライヤーによるスコア崩れのリスクを減らして、ラウンドにおける目標達成を目指したい人はぜひ参考にしてみてください。
ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。
ゴルフにおけるフライヤーとは番手以上の飛距離が出る現象
フライヤーとは、使用したクラブにおける通常の距離以上に飛距離が出てしまうことです。
ヘッドスピードやライにもよりますが、10~20ヤードほどキャリー※が伸びてしまいます。
※ボールが地面に最初に着弾するまでの距離
ドライバーのヘッドスピードが40m/s以下の場合、フライヤーは出づらくヘッドスピードが速い人ほど生じやすい現象です。
初心者はまず各番手でどれくらい飛距離が出るかを把握しておくと、どのショットがフライヤーに当たるのか把握することができるでしょう。
以下の記事ではゴルフクラブごとの飛距離目安について紹介しているので、コース戦略を立てる際にぜひ参考にしてみてください。
以下ではフライヤーのデメリットや、混同しがちな現象についてご紹介します。
フライヤーの特徴を知ることは対策にも繋がるので、イレギュラーに備えて楽しくラウンドしたい人はぜひ参考にしてみてください。
デメリット・スコアへの影響
フライヤーで飛距離が伸びすぎることにより、以下のようなデメリットがあります。
- スコア崩れに繋がる
- 難しいアプローチが残る
- ペナルティエリアに入るリスクがある
フライヤーにより飛距離が伸びすぎると、グリーンを捉えられずスコアを崩してしまいます。
またグリーンの奥へボールが飛ぶと傾斜がきつかったりライが悪かったりすることが多く、アプローチショットの難易度も上がります。
さらにグリーンの奥はOBやペナルティエリアが設置されていることがあり、更なるスコア崩れに繋がる場合も。
スコア崩れを避けるためにもあらかじめフライヤーを見越して、クラブ選びなどの戦略を練っておくことが大切です。
ドロップとの違い
フライヤーとドロップはどちらもボールとヘッドの間に芝が挟まってしまうことが原因で生じますが、以下のような違いがあります。
- フライヤー
- 想定距離よりも飛び過ぎる
- ドロップ
- 想定距離よりも飛ばない
フライヤーはインパクトでスピンが十分にかからず、ボールが空気抵抗を受けないことから飛距離が伸びすぎてしまいます。
一方でドロップはボールが深いラフに入り、芝生の抵抗によってヘッドスピードが減少することで生じる現象です。
ロフトが立った長いクラブで打った時に生じやすいため、ドロップを防ぐには1、2番手短いクラブに持ち替えると良いでしょう。
ゴルフでフライヤーが発生する原因・条件
フライヤーが発生する原因・条件は、以下の通りです。
原因を押さえておくことでフライヤーになりそうな場面を見極めて対策が取れるようになるので、チェックしてみてください。
外的要因によりスピン量が減る
フライヤーは外的要因により、スピン量が減って起きることが多いです。
スピン量が減るとキャリーが伸びるだけでなく、ボールが止まりにくくなって必要以上のランが出てしまいます。
- 芝が伸びている
↳ボールとクラブの間に芝が挟まるとスピン量が減る - 雨が降っている
↳水滴やぬかるんだ土がフェースの溝に入るとスピンがかかりにくくなる
ラフの芝が伸びた状態はボールとクラブの間に芝が挟まってしまうので、スピン量の減少に繋がる原因です。
また雨が降ると水滴やぬかるんだ土がフェースの溝に入ってスピンがかかりにくくなり、フライヤーしやすい状況になります。
雨でのラウンドではショット前後にフェース面の水滴を拭きとるなど、対策を取ることが大切です。
ヘッドスピードが速い
ヘッドスピードが速い人は長い番手でもラフの抵抗に負けずに振り切れてしまうため、フライヤーしやすくなる原因となります。
芝が伸びた状態でいつも通りにショットを打っても、ボールとクラブヘッドの間に芝が挟まることでスピン量が減少し、結果として飛距離が伸びてしまうのです。
一方でヘッドスピードが遅い人はラフの抵抗に負けてしまうため、フライヤーは起こりにくくかえって飛距離が落ちる場合があります。
ラフの流れがターゲット方向を向いている
ラフの流れがターゲット方向を向いている「順目」の状態であることも、フライヤーの原因の1つです。
順目で芝の抵抗が少なくなることで振り抜きが良くなるため、ヘッドスピードも上がります。
一方で逆目のラフは芝の抵抗が強くなるので飛距離が伸びにくく、ドロップしやすい状況です。
ゴルフにおけるフライヤーの対策方法
フライヤーの対策方法としては、以下の通りです。
対策方法が分かっていれば、フライヤーが起きやすい状況でも飛びすぎを防ぐことができます。
スコア崩れのリスクを抑えたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
番手を下げ、ロフトが寝ているクラブを使う
フライヤーを防ぐには、番手を下げてロフトが寝ているクラブを使うことが効果的です。
- ボールを高く上げられる
- ランを抑えられる
ロフトが寝ているクラブはボールを高く上げることができ、ランを抑えてグリーン上でボールを止めやすくします。
ショートアイアンやウェッジなど通常より1~2番手下のクラブを選ぶと、グリーンオーバーを防いで難しい状況からのアプローチを避けることが可能です。
状況に応じて適切なクラブを選ぶためには、どの番手でどれくらいの距離を打てるか把握しておく必要があります。
スコアメイクの戦略を練るためにも、普段から番手ごとの平均飛距離を覚えておきましょう。
カット気味に打つ
フライヤーを防ぐ打ち方として、フェースとスタンスを開いてカット気味に打つことが有効です。
カット気味に打つとスピン量を増やすことができ、打ち出し角を高くして球の重さでランを止められます。
- フェースを少し右に開く
- 目標方向よりもやや左を向く
- クラブを高く振り抜くイメージで打つ
- ボールの捕まりを抑える
高い弾道を生み出すためにも、振り切った際にグリップの位置が左耳よりも高いハイフィニッシュを目指して振り抜きましょう。
クラブを左サイドに高く振り抜くイメージでスイングすると、ハイフィニッシュになりやすいです。
こうすることでスイング軌道がアウトサイドインになりやすく、フェースが開いて捕まりにくいボールが打てます。
ラフの状況を観察して戦略を立てる
以下のポイントを目安にラフの状況を観察して、フライヤーが起きやすいかを判断しながら戦略を立てましょう。
- ボールの半分がラフに埋まっている
- 芝の向きが順目か
ボールの真ん中あたりまで芝がかかっている状態なら、インパクトの際にクラブとボールに間に芝が挟まってフライヤーが起こる可能性があります。
一方でボールの2/3以上が深いラフに埋まっている場合は、芝生の抵抗によってヘッドスピードが減少するドロップを想定しましょう。
また芝の向きがクラブを振る方向と同じ順目の場合も、芝の抵抗がないことからヘッドスピードが上がってフライヤーになる可能性が高いです。
ラフの状態からどんな現象が起こるかを予想することで、以下のように対策を取りながらプレーできます。
- フライヤー
- 番手を下げる
- カット気味に打つ
- ドロップ
- 短いクラブに持ちかえる
- グリーンを狙わず脱出を最優先する
どんな現象が起きやすいか分かると戦略を立てることができ、大幅なスコア崩れを防げる可能性が高いので、目安となるラフの状況を覚えておきましょう。
ゴルフでフライヤーをあえて狙うメリット
フライヤーは飛距離が稼げて風の影響を受けにくいため、以下のような場面ではあえて現象を活用することもできます。
- 手前から転がして寄せたい場面
- 距離を稼ぎたい場面
例えばグリーン奥にピンが切ってあり、手前から転がして寄せたい場面ではフライヤーで打てると、ランでピンまで寄せることができます。
また飛距離が出やすいフライヤーの特性を活かせるため、ロングホールのセカンド・サードショットなど距離を稼ぎたい場面でも有効でしょう。
ゴルフでのフライヤーはクラブごとの飛距離目安を把握して戦略を練ろう
フライヤーとはボールとヘッドの間に芝が挟まることでスピン量が減り、通常よりも10~20ヤードほど飛距離が伸びる現象を指します。
フライヤーによりボールがグリーン奥に行ってしまうと、難しいアプローチが残ってスコア崩れに繋がるので事前に対策を知ることが大切です。
極力ラフを避けるコースマネジメントが重要ですが、上記の対策を知っておくことでラフでも不安なく打てるようになります。
ランを含めた自身の飛距離やフライヤーの影響も考慮して、最適なクラブ選択やコースマネジメントを行えるようになりましょう