アテストとは|マーカーがスコアの正確性を証明するためのサイン
アテストとは、ラウンド終了後にスコアカードの内容を確認し、正確であると証明するサインのことです。
正式なゴルフ競技では、スコアを自分自身で記録するわけではありません。同伴競技者の一人が「マーカー」となり、自分のスコアを記録します。
- プレーヤーAのマーカー:プレーヤーB
- プレーヤーBのマーカー:プレーヤーC
- プレーヤーCのマーカー:プレーヤーA
※基本は組み合わせ表の順番通りに決まる
ラウンド終了後にアテストエリアへ移動し、マーカーがスコアカードの内容を確認したうえで、アテスト欄にサインします。
そして、マーカーのサインが入ったスコアカードを本人が確認し、問題がなければ本人のサインを記載したうえで正式に提出する流れです。
マーカーと本人の両者のサインが入って初めて有効なスコアカードとなります。
アテストはマーカーが記載するサインを指しますが、スコアの確認・署名・提出を含む一連の手続きをアテストと呼ぶことも多いです。
マーカーの役割
マーカーの主な役割は、同伴競技者のスコアを記録し、その正確性を確認・証明することです。
ラウンド中は同伴競技者のスコアを記録し、18ホールを終えたら同伴競技者のスコアカードの内容を確認します。
内容に間違いがなければ、マーカーがアテスト欄にサインを行い、同伴競技者に最終サインを依頼する流れです。
なお、マーカー自身のスコアは別の同伴競技者によって記録されます。
つまり、アテストでは以下の2つの手続きを行うことになります。
- マーカーとして、同伴競技者のスコアを証明する手続き
- 記録された自身のスコアを確認し、同意の上でサインする手続き
由来
「アテスト」という言葉は、英語の attestに由来しています。
直訳すると「(署名/証言により)裏付ける」や「(真実であると)証明する」などの意味を持ちます。
海外でもゴルフ用語としての「アテスト(attest)」は通じますが、一般的な会話では「sign the scorecard」などの直接的な言い回しも使われます。
アテストが重要な理由|スコアの信頼性と競技の公正を守るルール
アテストが重要な理由は、スコアの信頼性や競技の公平性を守るルールであるためです。
ゴルフのラウンド時には、自分のスコアを自分で記録するのが一般的ですが、完全な自己申告になるとスコアの信頼性が損なわれる恐れがあります。
アテストを実施することで、申告ミスや過少申告による不正を防止でき、スコアの信頼性が担保されるのです。
また、全競技者が同じ規則に基づいてスコアを提出することで、競技の公平性が保たれ、健全な勝負が成立します。
アテストの流れと手順
ラウンド終了後、正式にスコアカードを提出するアテストの手順は、以下の流れに沿って進めます。
- ラウンド終了後にアテストエリア(クラブハウスなど)に移動する
- 同伴競技者の全ホールのスコアを確認する
- ハーフごとのスコア合計とトータルスコア合計を記載する
- マーカー署名欄(アテスト欄)にサインする
- 担当の同伴競技者に確認・署名を依頼する
担当の同伴競技者に確認・署名を依頼したら、自分自身のマーカーから受け取ったスコアカードを確認します。
間違いがあればマーカーに修正を依頼し、問題がなければ署名を行います。
同伴競技者のアテストが終わったら、全員で競技委員会のアテスト係に提出し、チェックを受けてください。
簡略化されるケースもあるため、大会の規定に沿って手続きを行いましょう。
アテストで気をつけるべきポイント【失格を防ぐ】
アテスト時の失格や過大申告を防ぐには、以下の点に注意しましょう。
署名の記載漏れや過少申告が発覚すると、競技に失格となる恐れがあります。
実際、プロゴルファーの競技でもアテスト時のミスやトラブルにより失格となった事例が存在します。
ゴルフ競技において、アテストのミスは許されないため、ぜひ参考にしてください。
スコアカードを確認する
自分自身のマーカーから受け取ったスコアカードの内容は、しっかり確認しましょう。
マーカーが記載したスコアが間違っており、そのまま提出してしまうと、以下のようなトラブルにつながります。
- 実際のスコアよりも少ない
→過少申告で失格となる - 実際のスコアよりも多い
→過大申告でそのまま正式なスコアとして扱われる
受け取ったスコアカードに誤りがある場合、必ずマーカーに共有し、本人ではなくマーカーが訂正してください。
本人が勝手に修正してしまうと、ルール違反にあたるため注意が必要です。
スコアカード提出後にアテストエリアを離れると、その後の修正は認められません。
競技の順位にかかわる重要な工程であるため、不明点がある際には同伴者や競技委員会に相談することが大切です。
プレーヤーの署名漏れ
アテスト時には、プレーヤーとマーカーの署名が記載されているかを必ず確認しましょう。
いずれかの署名が漏れているスコアカードを提出してしまうと、原則としてプレーヤーが失格となります。
ただし、ローカルルールで規定されている場合は、失格ではなく2打罰扱いとなります。
いずれにせよ、順位に多大な悪影響を及ぼしてしまうため、スコアカード提出前には署名の確認を必ず行うように意識しましょう。
アテストはゴルフの公平性と信頼性を守るためのルール!正しく理解して失格を防ごう
アテストは、ゴルフ競技の公平性や信頼性を守るための重要なルールです。
ゴルフ競技では、自分以外の同伴競技者のマーカーとなり、スコアカードの内容が正確である旨を署名により証明する必要があります。
プライベートのゴルフでは基本的に実施されませんが、競技会では必ず必要となる工程であるため、規則や流れを適切に理解しましょう。
万が一アテストでミスをしてしまうと、過大申告やペナルティにつながり、最悪の場合失格にもなり得ます。
これまでのプレーが台無しになってしまう恐れがあるため、スコアカードの確認や署名漏れなど、ミスをしやすいポイントを理解しておくことが大切です。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。