コンシードとは?ゴルフにおける基本的な意味
コンシードとは、マッチプレー形式の試合において使用される正式なルール用語で、相手に対して「そのパットは打たなくていいですよ」と認めることを意味します。
コンシードは英語の「concede」に由来し、本来は「認める・譲る・承認する」という意味を持つ言葉です。
たとえば、ボールがカップから極めて近く、ほぼ確実に入ると判断された場合に対戦相手が「OK(=コンシード)」と伝えることがあります。
その場合、パットを打たずにそのショットが入ったものとして認められます。
ただし、コンシードは、マッチプレー(ホールごとに勝敗を決める形式)限定のルールなので注意しましょう。
「OKパット」との違い
ゴルフではよく耳にする「OKパット」という言葉ですが、競技ルールとしての位置づけはなく、正式なゴルフ用語ではありません。
以下に、コンシードとの違いをまとめました。
項目 | コンシード | OKパット |
---|---|---|
正式なルール用語 | 〇 | ✖(俗称) |
主な使用シーン | マッチプレー(競技含む) | 仲間内・カジュアルなラウンド |
両者は同じような場面で使われますが、「コンシード」はルールブックにも明記された正式な競技ルールです。
競技レベルでは、審判や競技委員に対して正確な意思疎通を図るため、ルールに則って「コンシード」と表現することが望まれます。
「ギブアップ」との違い
「コンシード」と混同しやすい用語に「ギブアップ」がありますが、以下のように意味も使い方もまったく異なります。
項目 | コンシード | ギブアップ |
---|---|---|
適用形式 | マッチプレーのみ | ストロークプレーとマッチプレー |
判断するのは | 相手プレーヤー | 自分自身 |
意味 | 相手のパットを認めて打たなくてよいとする | 自分のホールのスコアを放棄する (負けを認める) |
ルール上の扱い | 1打カウントされる | ホールを放棄=失格や罰が課されることも |
コンシードは相手への信頼と配慮を表すルールであり、ギブアップは自らのスコアやホールを放棄する消極的な選択です。
接待を伴うビジネス絡みのゴルフや競技でのゴルフでは、この違いを理解して正しく使い分ける必要があります。
コンシードが使われる場面と正しい使い方
「コンシード」をいつ・どのように使うかはゴルフのルール知識だけでなく、その人の気配りや判断力も問われます。
特に接待ゴルフではプレーの技術以上に、場の空気を読みながらスマートに立ち回れるかも印象を左右します。
コンシードが使われる代表的なシーンは、以下のとおりです。
- 接待ゴルフや友人同士のカジュアルプレーで敬意や配慮を示したいとき
- パットが至近距離でほぼ確実に入ると判断されたとき
- プレーをテンポアップさせたいとき
上記のシーンでコンシードを使う際は、以下5つのポイントを押さえておくとよいでしょう
- コンシードは「与える側」が判断する
- タップイン(確実に入る至近距離のパット)状態のときは、自然なタイミングでコンシードを出す
- 傾斜や相手の技量によっては、あえてコンシードを控える配慮も必要になる
- 進行が遅れ気味なときに、テンポアップのために活用する
- 接待ゴルフでは「プレーファスト」の意識が評価につながることもある
ビジネスの場では、「ルール+状況+相手への気配り」を意識してコンシードを使うと好印象につながります。
コンシードは相手から与えられるものであり、自分から催促するのはマナー違反です。
たとえ短い距離でも、「OK」が出るまでは打つ構えを保ちましょう。
コンシードのマナー
接待ゴルフやフォーマルなラウンドでは、技術以上に気遣いや振る舞いが見られている場合もあります。
ここでは、プレーを円滑に進めながら相手にも好印象を与えるためのコンシードのマナーを、以下に紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コンシードは明確に伝える
「OKです」「拾ってください」など、相手が迷わない明確な言葉で伝えることが大切です。
小さい声や曖昧な言い方では、相手が聞き逃したり判断に迷ってしまう原因になります。
伝える際は、以下の3点を意識しましょう。
- はっきりとした言葉で伝える
- タイミングを逃さず、自然な流れで
- 相手の目を見て、ジェスチャーも交えて丁寧に
このような気配りを意識することで、スマートな印象を与えることができます。
一度与えたら撤回しない
「OK」と一度伝えたらパットが成功したと認めたことになり、ルール上も取り消すことはできません。
「やっぱり打ってもらえますか?」という撤回はルール違反であり、マナー違反にも該当します。
特にビジネスの場では、こうした軽率な発言が「常識がない」「礼儀に欠ける」と見られ、信頼を損ねる要因になりかねません。
確実に入ると判断できる距離とタイミングで、慎重かつ責任を持って「OK」を出す姿勢が求められます。
コンシードで失敗しないためのポイント
コンシードは、使い方を誤るとルール違反や相手への配慮不足と見なされることもあります。
コンシードを実戦で使う際に恥をかかないよう、以下2つのポイントを押さえておきましょう。
- 1打としてスコアにカウントされる
- 距離は相手や状況によって使い分ける
意外と見落とされがちですが、コンシードされたパットも1打としてスコアに含まれます。
たとえば、3打目のアプローチでグリーンに乗せてコンシードを使った場合、スコアは4打として記録されます。
また、一般的にコンシードを出す距離の目安は、30cm前後と言われていますが、実際には距離だけで判断するのは不十分です。
以下に具体的なケース別の判断例をまとめました。
シチュエーション | コンシード判断のポイント |
---|---|
接待ゴルフ・目上の方とのラウンド | 少し長めの距離(40~50cm程度)でも、配慮としてOKを出すのがスマートな対応となる場合がある |
真剣勝負のマッチプレー | たとえ30cm以内であっても、プレッシャーを与える意図であえてOKを出さない判断が有効になる |
相手が初心者・パットが苦手な場合 | 本人の上達を考えて、練習の機会としてあえて打たせた方がよい場合もある |
コンシードを使用する際は距離ではなく、相手の技量・ラウンドの空気・目的に応じての最適な判断が求められるでしょう。
コンシードを正しく使いこなして、接待ゴルフでもスマートに楽しもう!
コンシードはマッチプレー特有のルールでありながら、相手への信頼や配慮を示すマナーとしても使われます。
接待ゴルフの場では単なるスコア管理以上に、「相手への気遣い」が評価されるシーンが多くあります。
正しくルールを理解し、マナーを押さえたうえでコンシードを使いこなせれば、スマートで好印象なゴルファーとして周囲から信頼される存在になれるはずです。
接待やビジネスの場でも自信を持ってラウンドに臨めるよう、今日から少しずつ実践していきましょう。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。