コンパクションとは|グリーンの「硬さ」を表す数値

コンパクションとはグリーンの「硬さ」を数値化した指標で、グリーン表面がどの程度ボールの衝撃を吸収するかを示しています。
【コンパクションについて】
- 数値が大きいとグリーンが硬くボールが止まりにくい
- 専用計測器で正確に測定される
- プロ競技では数値管理が徹底されている
- スコア改善や戦略立案に役立つ重要指標
【補足】
↳「スティンプ」とはグリーンの「速さ」を表す指標で、スティンプメーターという専用の測定器を用いて、グリーンの速さを表す。
↳「スティンプ」は「コンパクション」とは全く異なる要素
コンパクションは専用の計測器を用いて測定され、プロゴルフトーナメントなどでも、グリーンの状態管理に使用されています。
例えば日本ゴルフ協会(JGA)では、公式競技の際に一定のコンパクション基準を設けており、数値管理を徹底しています。
プレーヤーが事前にコンパクションを把握することで、ショットの打ち方やクラブの選択を適切に調整できるため、スコア向上に役立つメリットも。
グリーンの特徴を示す指標として、「グリーンの速さ(スティンプ)」も合わせて使われますが、こちらについては以下で解説しています。
コンパクションの測定方法と標準値や目安となる数値
コンパクションは、kg/cm2を単位とする絶対硬度か、mmを単位とする指標硬度で示され、絶対硬度で表記されることが一般的です。
日本の一般的なゴルフ場では、コンパクションの標準値は約11~12kg/cm2程度が目安とされています。
プロトーナメント開催時のグリーンはより硬めに設定され、約12~14程度が標準的とされています。
コンパクション値 指標硬度(mm)絶対硬度(kg/cm2) | 状態の目安・特徴 |
---|---|
指標硬度(mm):~23 絶対硬度(kg/cm2):~10 | 柔らかい(標準下) ・柔らかめのコンディション ・高く上げれば比較的止まりやすい |
指標硬度(mm):23.5~24.0 絶対硬度(kg/cm2):11~12 | 標準的な硬さ ・一般的な設定 ・転がりと止まりのバランスが重要 |
指標硬度(mm):24~25 絶対硬度(kg/cm2):12~14 | やや硬い(標準上) ・日本プロのトーナメントの平均値 ・アプローチでは球足が伸びやすい |
指標硬度(mm):25~ 絶対硬度(kg/cm2):14~ | 硬い ・乾燥したコースに多い ・スピンで止めるのが難しい |
コンパクションの測定には専用の硬度計(コンパクションメーター)を使用し、グリーン表面に一定の高さから重りを落とし、その深さを基準に硬さを数値で示します。
プロトーナメントでは「コンパクション8.0以上」「スティンプ10.0以上」などの基準が設けられ、グリーン整備が徹底されています。
コンパクションの数値を把握しておくことで、セカンドショットやアプローチ時の適切なクラブ選択につながるので、スコアメイクにも直結する大切な要素と言えるでしょう。
コンパクションがスコアに与える影響
コンパクションの数値が高くグリーンが硬いほどボールが止まりにくくなり、難易度が上がります。
【コンパクションのスコアへの影響】
硬いグリーン(高コンパクション)
- ボールがグリーン奥に転がりやすく、難しい局面からのアプローチのリスクが高まる
- アイアンショットやウェッジショットにおいて、スピン量や高弾道が要求される
柔らかいグリーン(低コンパクション)
- ボールが比較的止まりやすく、ピンを積極的に狙える
- グリーンを狙う際の距離の調整をしやすくなるため、スコアを伸ばしやすくなる
グリーンが硬い日と柔らかい日で平均スコアが変わることもあり、特に風がある日には硬いグリーンとの組み合わせがミスを誘発させる場合も。
ゴルフ場では、コンパクションなどの情報がコースコンディションのボードに表示されていることもあるので、必ず情報の有無を確認しておきましょう。
コンパクションの情報を活かした戦略的プレーのポイント
コンパクションは単に地面の状態を示すものではなく、戦略的プレーの基礎となる情報です。
プレーヤーが数値を適切に読み取り、ショットの落とし所やスピン量を調整することで、ミスのリスクを大幅に減らし精度の高いプレーが可能になります。
【コンパクションを活かした戦略的なプレーのポイント】
- 着弾地点の設定を変える
↳硬いグリーンでは、ピンのそばを狙わず、ピン手前に落として転がす設計が有効 - 打ち出し角とスピンを調整する
↳コンパクションが高い(硬い)場合は、高弾道+スピン量多めのショットが有利 - ボールの選定にも配慮する
↳スピン性能の高いボールを選ぶことで、硬いグリーンでもしっかり止まる可能性が高まる
特にグリーン周りでの判断ミスは、スコアに直接反映されやすいため、コンパクションの情報を活かしたプレーができるかどうかが安定したスコアメイクに大きく影響します。
ラウンド前にはゴルフ場のパター練習場を活用し、当日のグリーンの硬さと速さを把握しておくことが大切です。
コンパクションの数値と環境条件から戦略を立て、さっそくコースコンディションの攻略に活かしていきましょう!
コンパクションを理解して、戦略的にゴルフを楽しもう
コンパクションは単にグリーンの硬さを示す数値にとどまらず、戦略的なプレーやショットに大きく関係する、重要な指標です。
【コンパクションについて】
- 数値が大きいとグリーンが硬くボールが止まりにくい
- 専用計測器で正確に測定される
- プロ競技では数値管理が徹底されている
- スコア改善や戦略立案に役立つ重要指標
- 標準値は11~12程度が目安
コンパクションが高い(硬い)ときにはボールが止まりにくくなり、落とし所やショットの弾道調整が必要になります。
逆にコンパクションが低い(柔らかい)場合には、ショットが止まりやすく、積極的にピンを狙う戦略が効果的です。
コンパクションを利用した戦略を身につければ、状況に応じた攻め方ができるようになります。
こうした判断力が身につけば、難しいシチュエーションでもスコアを崩しにくくなるので「コンパクション」の情報を味方につけて、スコアアップに活かしていきましょう。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。