アゲインスト(アゲンスト)とはどういう意味?
アゲインストとは、向かい風(逆風)を意味するゴルフ用語です。
この用語をもじって、向かい風が吹いている状態を「アゲてる」と表現することもあります。
飛距離や弾道に影響を与える自然条件のひとつで、通常よりもボールが前に進みにくくなります。
特にバックスピン量が多いショットは風の影響を強く受け、空中で押し戻されるため、低い弾道でバックスピンを抑えたショットが有効です。
風の影響を受けにくい球筋を意識しながら、状況に応じた対処が求められます。
ちなみにアゲインストという表現は和製英語であり、英語圏では通じません。
正確な英語表現としては「headwind(ヘッドウィンド)」が使われます。
アゲインストは、プレー戦略全体に影響を及ぼす要素のため、風を読む力や判断力がスコアメイクの鍵となるでしょう。
アゲインストの対義語「フォロー」とは?
「フォロー」とは追い風のことを指す用語で、アゲインストの反対の状況を意味します。
風の力を借りてボールがより遠くまで飛ぶため、飛距離が伸びやすく、キャリーやランを含めたトータル飛距離が予想以上に出ることも珍しくありません。
フォロー時は高い弾道でしっかりとスピンがかかったショットが求められます。
弾道が不安定になりやすく、意図しない方向へ流されたり、ボールが止まらずグリーンをオーバーしてしまう可能性があるためです。
また、自然の中で行うスポーツのゴルフで無風という状況は非常にまれです。
ホールごとに風の強さや向きが異なり、同じコースでも時間帯によって条件が変わることもあります。
そのため、スコアアップには風を読む力とそれに合わせたショットの打ち分けが欠かせません。
風の状況を把握し、それに応じたショットを打てるようになることが、安定したプレーと戦略的なゴルフにつながります。
アゲインストの対処法
アゲインストの状況に直面すると、普段どおりのショットでは意図した距離に届かず、スコアを崩す原因にもなりかねません。
以下では、アゲインストにおける実践的な対処法をご紹介します。

- 通常より2番手大きいクラブを選ぶ
- ティーショットの場合は、ティーを低めにして弾道を抑える
基本的な対応は使用クラブを2番手大きくすることです。
たとえば通常7番アイアンで打つ場面では、5番に替えることで、風に押し戻されても距離をカバーできます。
またティーショットでは、いつもよりもティーは低めにして弾道を抑えることを意識しましょう。
スイング自体を必要以上に変えようとするとかえって乱れてしまうので、クラブやティー以外はいつも通りにするのがおすすめです。
アゲインストだと特に上半身に力が入ってしまいがちなので、いつも通り下半身を使って打つことを心がけましょう。
アゲインスト時の風の読み方
アゲインストの場面では、見た目以上にボールが戻されることもあり、事前の風チェックが欠かせません。
以下が、プレー中に簡単にできる風の読み方です。

- 芝を散らして落下する方向で判断する
- 木々の枝や葉の動きを観察する
- ピンフラッグの動きで判断する
ピンフラッグが見えづらいティーショットなどの場面では、足元の芝生を高い位置から散らしたり、両脇の木々の揺れを観察したりすることで風を読むことが可能です。
グリーンが見える位置になってきたら、ピンフラッグの揺れ方でも判断ができます。
注意点としては、ショットを打つ場所と目標地点で風の方向が異なるケースもあることです。
ボールの勢いが落ちる目標地点付近の方が風の影響を受けやすいので、ピンフラッグや目標地点付近の木々の揺れ方も確認しておくと良いでしょう。
アゲインストは恐れずに戦略に活かそう
ゴルフにおいて、風の影響を雨よりも嫌う人も多く、その中でもアゲインストの状況でのプレーを苦手とする人は多いでしょう。
一方、必要以上に力まずに適切なクラブ選択をする戦い方を熟知していれば、大きなミスを避けながらプレーすることが可能です。
風を敵と見るのではなく、うまく利用することで戦略的に活かしていきましょう。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。