ファー(フォアー)の意味とは|周囲に危険を知らせるために叫ぶ掛け声
ファーは、自分が打ったボールが他のプレイヤーや観客に向かって飛んでいく可能性がある時に、危険を知らせるために大声で叫ぶ言葉です。
英語では「Fore」と表記され、「前方へ」という意味を持ち、「前にいる人、危険です!」という意図を込めて使われます。
この掛け声が必要とされるのは、ゴルフボールが小さくて硬く、時速200km近い速度で飛ぶこともあり、万が一当たれば大けがにつながる危険性があるためです。
かつてはキャディがプレーヤーに代わって「ファー!」と叫ぶケースもありましたが、現在主流のセルフプレーでは、プレーヤー自身が状況を判断し、周囲の安全に責任を持つことが求められています。
他人の安全を守るための大切な行動でもあるので、ボールが隣のホールに飛んだと感じたら、迷わず「ファー!」と大きな声で叫びましょう。
語源・由来
日本では危険を知らせる際に「ファー!」と叫ぶのが定着していますが、これは英語の「Fore!」が由来とされています。
またファー(Fore)の語源には以下のように諸説ありますが、なかでも有力とされているのが軍事用語に由来する説です。
- 軍隊の号令が起源
- フォアキャディ(Fore-caddie)を省略
戦場で大砲を撃つ前、前方にいる兵士に向けて「前に注意せよ」という意味で、Be aware beforeと叫んでいたのが始まりとされます。
この号令は、即座の判断と伝達が求められる戦場で使われるうちに「Before」から「Fore」へと短縮され、それがゴルフにも応用されたという説も。
またコースによっては前方にフォアキャディと呼ばれる係員が配置されることがあり、ショット時に「Fore-caddie」と注意を促していたのが、やがて「Fore」に短縮されたという説もあります。
どの説が正しいかは定かではありませんが、いずれも「前方への警告」という共通の意味を持っています。
ファーを叫ぶべき状況・タイミング
以下のような状況では、ためらわずにファー!と声をかけることが大切です。
- 隣のホールや前の組の方向にボールが飛んだとき
- 大きくフック・スライスして予期せぬ方向に飛んだとき
- アプローチでトップやシャンクをして、人のいる方向に飛んだとき
まず大前提、前の組に打ち込まないために、十分な距離が空いてからショットを打つのが基本です。
前方の安全を確認してショットをしたものの、他のプレーヤーがプレーしている方向にボールが飛んでいった場合、自分からは見えていなくても、人がいる可能性があります。
少しでも届くかもしれない・人がいるかもしれないと思ったら、迷わず「ファー!」と叫ぶことが、ゴルファーとしてのマナーであり、責任ある行動になりますので意識しましょう。
隣接ホールは基本的にOB(アウト・オブ・バウンズ)と呼ばれるプレー区域外に括られますが、OB方向に飛んだら迷わずに叫ぶのが賢明です。
ファーを聞いたときの正しい対処法
ファーを聞いたときの正しい対処法は、以下の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
頭を守る (しゃがむ・その場から動かない) | ・両手やクラブ、タオルなどで頭部を守る ・頭や顔への直撃は大きなケガにつながるため、うずくまるようにして姿勢を低く保つのが理想 |
空を見上げない・振り向かない | 目や顔に当たるリスクが高まるため、ボールの位置を確認しない |
声が聞こえた方向と逆を意識する | ・基本的に、ボールは叫び声の方向から飛んでくる ⇒声が聞こえた方向を背にするように体を向け、背中側をできるだけ見せるようにする |
誰かが「ファー!」と叫んだら、ボールが自分の方向へ飛んできている可能性があるという警告の合図です。
驚いてとっさに空を見上げる・周囲を見渡すといった行動をしてしまいますが、すぐに身を守る体勢を取り、落ち着いて行動することが重要です。
「ファー!」という声を聞いたときは、反射的に体を守る行動をとれるよう、日ごろのプレー時から意識しておきましょう。
ファーはゴルフの基本マナー!安全のために恥ずかしがらず必ず叫ぼう
「ファー!」は単なる掛け声ではなく、自分のショットによる危険をいち早く周囲に伝え、安全を確保するための大切な行動です。
特に以下のような状況では、「ファー!」と声をかけましょう。
- 隣のホール・前の組の方向にボールが飛んでいった
- 大きくフックやスライスして、予想外の方向へ飛んだ
- アプローチでトップやシャンクをして、人のいる方向に飛んだ
- 視界に人が見えなくても、前方にプレーヤーがいる可能性がある
ゴルフは紳士淑女のスポーツと呼ばれるように、マナーや思いやりが重視されるスポーツです。
恥ずかしい・声が出しにくいと感じることがあっても、一瞬のためらいが大きな事故につながることもあります。
ボールが人のいる方向に飛んだと感じたら、迷わず、しっかりとした声で「ファー!」と叫ぶことがゴルファーとしての責任であり、マナーになります。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。