スクラッチとは
「スクラッチ」という言葉は、上級者を目指すうえで避けて通れない重要な概念です。
ここでは、ゴルフにおける「スクラッチ」の意味と語源をわかりやすく解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ゴルフにおけるスクラッチの意味
ゴルフで「スクラッチ」という場合、主に2つの意味があります。
用語 | 意味・定義 |
---|---|
スクラッチプレーヤー | ハンディキャップが0(ゼロ)のプレーヤー |
スクラッチ方式 | ハンディキャップを使用せず、グロススコア(実打数)のみで順位を競う競技形式 |
ゴルフのハンディキャップ制度では、プレーヤーの実力に応じてハンディが与えられます。
しかし、スクラッチプレーヤーはハンディが「0」でプレーを行うので、全てのアマチュアゴルファーの中でも、技術・安定感ともにトップクラスの存在です。
また、スクラッチ方式はクラブチャンピオン戦やJGA主催競技など、上級者を対象とした大会で採用されます。
スクラッチの語源と定義
スクラッチの語源は英語の「scratch」にあり、「ひっかく・傷をつける」などの意味があります。
スポーツの分野では、同じスタートラインから競技を始めることを意味し、「ハンディキャップなし」「条件がフラットな状態」を象徴する言葉として使われています。
この概念がゴルフにも応用され、「スクラッチ=ハンディなし」という定義が定着しました。
スクラッチ方式のプレー方法とは
ゴルフ競技には、「スクラッチ方式」と「ハンディキャップ方式」の2つの形式があります。
スクラッチ方式はハンディを一切使わず、グロススコアだけで順位を競う実力勝負のプレー方法です。
- 基本はストロークプレー形式(全ホールを通算してスコアを競う)
- 18ホールの合計ストローク数が少ない人が勝者となる
- ハンディキャップは適用しない
なお、同スコアの場合は、プレーオフまたはカウントバックで順位を決定する場合もあります。
一方でハンディキャップ方式との違いは、以下の通りです。
比較項目 | スクラッチ方式 | ハンディキャップ方式 |
ハンディの使用 | なし | あり |
勝敗の決まり方 | グロススコアの少なさで決定 | ネットスコア(グロス-ハンディ)で決定 |
採用される主な場面 | ・上級者向け競技 ・クラブチャンピオン戦 ・JGA主催大会など | ・社内コンペ ・アマチュア大会など |
スクラッチ方式の競技は、競技ゴルファーにとって実力を証明する舞台であり、1つの目標ラインともいえるでしょう。
スクラッチプレーヤーになるための条件
スクラッチプレーヤーとは、あらゆるコースで平均スコア72〜75を安定して出せる実力を備えたゴルファーを指します。
常に高いレベルのプレーを維持できるスクラッチプレーヤーになるには、以下3つの要素が必須条件です。
- 平均スコア70台を継続して出せる実力
- ショット・アプローチ・パターすべてで精度にムラがないこと
- 戦略的にスコアを組み立てるコースマネジメント力
これらに加え、目安として以下のスキルも身につけておく必要があるでしょう。
- フェアウェイキープ率が60%以上
- パーオン率が50%以上(9ホール中4〜5ホール)
- ドライバーは左右のブレが少なく、狙ったゾーンに運べる
- アプローチは10〜30ヤード以内から1m以内に寄せられる精度
- 3パットを出さない距離感とライン読みの正確さ
どれか1つのスキルが突出しているのではなく、すべての要素で高水準を安定して保つことが重要です。
さらに、スクラッチレベルでは単に飛ばす力よりも、冷静な判断と戦略的プレーも求められます。
たとえば、ピン位置や風を読んで安全策を選ぶ、無理をせず刻むなどの状況に応じた対応力です。
スクラッチレベルに達するには、1打1打の精度だけでなく、ラウンド全体を通して安定したプレーを続ける力が求められるでしょう。
スクラッチの意味を正しく知れば、プレーがもっと楽しくなる
スクラッチプレーヤーとは、単に「飛ばせる・上手い」といった印象だけでなく、高い再現性・戦略性・安定したスコア力を兼ね備えたゴルファーのことを指します。
ミスを最小限に抑え、どんな状況でも冷静にプレーを組み立てられるのが特徴です。
こうした技術や判断力は、決して上級者だけのものではなく、スコアを伸ばしたいすべてのゴルファーにとって役立つ「基礎の応用力」とも言えます。
さらに、スクラッチレベルの高さを理解することで、自分の現実的な目標設定ができ、小さな上達も大きな喜びとして感じられるようになるでしょう。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。