バウンスバックとはスコアを「取り返す」こと
バウンスバック(bounce back)とは、ゴルフにおいてボギー以上の悪いスコアを出した直後のホールで、バーディー以上の良いスコアを記録してスコアを取り返すことです。
例えば、5番ホールでボギーを叩いた後、6番ホールでバーディーを取った場合、これがバウンスバックに該当します。
バウンスバックは、プレイヤーのメンタルの強さや集中力の回復能力、そして技術的な修正能力を総合的に示す1つの指標です。
この用語は英語の「bounce back(跳ね返る、立ち直る)」に由来し、スポーツ全般で「失敗や挫折から素早く回復する」という意味で使われています。
「バウンス」との違い
バウンスバックの「バウンス」は、クラブのソール部分を示す「バウンス」とは全く異なります。
両者の意味は以下の通りです。
項目 | バウンスバック | バウンス(バウンス角) |
---|---|---|
意味 | スコアを取り戻すこと | ウェッジのソールの膨らんでいる部分 |
バウンスはソールの膨らんでいる部分を指し、「シャフトを垂直にした時のリーディングエッジ(※)とソール面が作る角度」のことを「バウンス角」と呼びます。
※リーディングエッジ:クラブフェースの底辺部分
バウンスがあることによってクラブが地面に刺さることを防ぎ、特にアプローチショットやバンカーショットで重要な役割を果たします。
バウンスバック率の計算方法と数値の目安
バウンスバック率は、ボギーかそれより悪いスコアを取った後に、どれだけバウンスバックを達成できたかを示す指標です。
計算方法は以下のように定義され、パーセンテージで表示されます。
(ボギーかそれより悪いスコアとしたホールの直後のホールで、バーディーかそれより良いスコアを獲得した総ホール数÷ボギーかそれより悪いスコアとした総ホール数)×100
※引用元:日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)
アマチュアの場合だとバーディーを取ること自体が困難なので、あまり見慣れない指標かと思いますが、数値の高いプロでも20%台にとどまります。
バウンスバック率の高いプロは、一度スコアを崩しても立て直す力が優れていることになるので、この視点でプロの試合を観てみても面白いかもしれません。
バウンスバックが重要な理由
バウンスバックがゴルフにおいて重要視される理由は主に以下で、バウンスバック能力の向上がゴルフ上達に直結する重要な要素となっています。
- スコアの安定性を左右するため
- メンタルの強さが試される競技のため
ゴルフは「自分自身との戦い」であるため、気持ちの切り替え能力がプレッシャー下でのスコアの安定性を左右するでしょう。
正式な定義だと「ボギーやそれより悪いスコアを取った後にバーディー以上で回ること」になりますが、悪いスコアを取った直後に崩れる傾向にないかを自身のスコアでも確認してみるのがおすすめです。
この分析は効果的なゴルフコースマネジメントの実践にもつながり、継続的な成長を実現できるでしょう。
バウンスバック力を高める方法
バウンスバック力を高めるには、ミスを引きずらないことが何よりも大事です。
ミスを引きずらないためには、「切り替えのルーティン」を持っておくと良いでしょう。
トッププロの事例だと、ミスをした後に「グローブを外す」や「飲み物を飲む」のような決めごとを設けているケースがあり、これによって意識を他に向けることができます。
ミスの原因をその場で考えても、様々な要因が考えられて解消できない場合が往々にしてあるため、気持ちを切り替えるためにルーティンを行うのは有効です。
逆に「次で絶対に取り戻そう」と意識しすぎてしまうほど、ミスができないプレッシャーに押しつぶされてしまい、大叩きするリスクが高まります。
良い意味でバウンスバックを意識しない方が、結果的に達成できる可能性を高められるかもしれません。
バウンスバックを実現させて、安定したスコアメイクを目指そう
バウンスバックは、悪いスコアを取った直後に立て直すことを表し、プレイヤーの精神力の強さを示す指標です。
アマチュアにおいても、この「悪いスコアの後に立て直す力」は、技術練習と同じくらい重要な能力として位置づけられています。
トップ選手でも20%台という数値が示すように、ミスショット後の立ち直りは簡単ではありませんが、適切なアプローチにより確実に向上させられます。
メンタルの影響が結果に反映されやすいスポーツなので、自身のラウンドやプロの試合観戦でも、この観点に注目して楽しんでみてはいかがでしょうか。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。