ゴルフにおけるアウトコースとは?|インコースとの違い
アウトコースとはラウンド(18ホールプレー)の、前半の1番から9番のことを指します。
一般的に午前中にプレーする前半の9ホールであり、「フロントナイン(Front 9)」とも呼ばれます。
一方、10番から18番ホールまでの後半9ホールは「インコース(バックナイン)」と呼ばれます。
日本のゴルフ場では効率的な進行を目的として、「アウトスタート」と「インスタート」という2通りのスタート方式が採用されています。
- アウトスタート
- 1番からプレーを始め、9番終了後に休憩をはさむ
- インスタート
- 10番からプレーを始め、18番終了後に休憩をはさむ
アウトコースとインコースの難易度は、グラデーションのようにバランスよく設計されており、一概にどちらが難しいとは言えません。
ただし、多くのゴルフコースはアウトコースからスタートすることを前提に設計されているため、アウトスタートの方がより自然な流れでラウンドを楽しめる傾向があります。
名前の由来
現在も使われている「アウト(OUT)」「イン(IN)」という呼び方は、ゴルフ発祥の地・スコットランドのセントアンドリュースのコース設計に由来しています。
セントアンドリュース・オールドコースでは、以下のような動線設計が特徴です。
- 1番〜9番ホール
- クラブハウスからどんどん離れるように進む構造(=going out)
- 10番〜18番ホール
- 遠ざかった先からクラブハウスへ戻る構造(=coming in)
このような動線に基づき、前半の9ホールを「Out」、後半の9ホールを「In」と呼ぶようになり、この伝統的な呼称が現在も受け継がれています。
一方、日本の多くのゴルフコースは以下のようなクラブハウス中心のレイアウトが一般的です。
- 1番・10番ホール:クラブハウス近くからスタート
- 9番・18番ホール:クラブハウス付近で終了
セントアンドリュースのように「遠ざかってから戻ってくる」構造ではなく、間に昼食休憩をはさむことを前提としたリターン型レイアウトが主流となっています。
しかし、呼称としては今なお「OUT=1〜9番」「IN=10〜18番」が踏襲されており、その語源は歴史的背景の名残として使われ続けています。
アウトスタートとインスタート、どちらがいい?
ゴルフコースは1番ホールから18番ホールまでをひとつの流れとして設計されているため、アウトスタートからノンストップで18番まで回る「スループレー」が理想とされています。
しかし、日本では利便性や経営効率の観点から、アウト・イン両方からスタートする2ルート制と、ハーフ休憩をはさむプレースタイルが主流です。
また、正式なプレー順に沿っているという理由から、接待や公式競技などではアウトスタートが好まれる傾向にあります。
そのため、アウトスタートは予約が早く埋まりやすく、取りづらいことが多いのが実情です。
アウトコースの流れが後半に与える影響とは?|攻略の心構え
アウトコースで好調なスタートを切ることは、インコースでのプレーにも良い影響を与えます。
ゴルフはメンタルの影響が大きいため、前半でスコアがまとまると自信がつき、集中力やリズムを維持したまま後半も安定したプレーがしやすくなります。
一方で、アウトコースで思うようなスコアが出せなかった場合には、気持ちを切り替えることが重要です。
多くのゴルフ場では、9ホール終了後にハーフ休憩が設けられるため、気分転換を図ったり、戦略を見直したりすることで、後半の巻き返しを狙うことができます。
まとめ|アウトコースを理解すれば、ゴルフはもっとスムーズに楽しめる
ゴルフコースは18ホールで構成されており、前半の1〜9番ホールを「アウトコース」、後半の10〜18番ホールを「インコース」と呼びます。
日本の多くのゴルフ場では、1番ホールから始める「アウトスタート」と10番ホールから始める「インスタート」の2通りのスタート方式が採用されています。
一部では「アウトの方がやさしい」「インは難しい」といった印象もありますが、実際には設計バランスが重視されており、アウト・インで極端な難易度の差はないとされています。
とはいえ、本来ゴルフコースは「アウト→イン」の順でプレーすることを前提に設計されており、ホールの難易度や演出も、その流れを意識して構成されています。
したがって、18ホールを通してゴルフの世界観を存分に味わいたい方にとっては、「アウトスタート」の方がより自然な流れでラウンドを楽しめると言えるでしょう。
コースの構造や設計意図を理解することで、プレーそのものがよりスムーズに豊かになるため、スタート順にもぜひ意識を向けてみてください。


ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。