ラフとは?ゴルフにおける意味と種類
ラフとは、ゴルフコースにおいてフェアウェイの外側に広がる、芝が長めに維持されているエリアのことです。
「ミスショットをした人が落ちる場所」というイメージを持たれることが多いですが、実際にはコースの戦略性を高めるために意図的に設計されている重要なエリアといえます。
また、日常会話で使われる英語の「Rough(粗い・荒れた・雑な)」という意味とは異なり、ゴルフ用語としての「ラフ」は、コース設計における明確な役割を持った芝生エリアを指す専門用語です。
ラフの芝の長さや密度はゴルフ場によってさまざまで、季節や天候によっても状態が変化します。
このようなラフの特性を理解しておくことで、ボールがラフに入った際も適切な判断ができるようになるでしょう。
ラフの種類
ラフは芝の長さやボールの沈み具合によって、大きく3つの種類に分類されます。

ファーストカットは芝が比較的短く、ボールも沈みにくいため、フェアウェイに近い感覚で打てるラフです。
一方、深めのラフは芝が長く密集しており、ボールが沈みやすく、距離や方向性のコントロールが難しくなります。
セミラフは芝の長さ自体は中程度ですが、ボールの浮き沈みが変わりやすく、転がすか上げるかの判断が求められます。
このように、ラフは種類によって難易度や取るべき考え方が異なるため、入った場所を見極めることが重要です。
フェアウェイとの違い
ラフとフェアウェイは、芝の長さ・ボールの沈み方・飛距離・方向性といった点で大きく異なります。
| 比較項目 | フェアウェイ | ラフ |
|---|---|---|
| 芝の長さ | 短く刈り込まれている (1〜2cm程度) | 長く伸びている (2cm以上) |
| ボールの状態 | 芝の上に乗っている | 芝に沈みやすい |
| クラブとの接触 | クラブが直接ボールに当たる | 芝がインパクトを邪魔する |
| スピン量 | 適度にスピンがかかる | スピンがかかりにくい (フライヤー現象) |
| 飛距離 | 番手通りの距離が出る | 距離が落ちる、または予想外に飛ぶ |
| 方向性 | 安定しやすい | ミスが出やすく不安定 |
フェアウェイは芝が短く均一に刈られているため、ボールが地面の上にきれいに浮いた状態になり、クラブフェースを直接ボールに当てやすいのが特徴です。
その結果、距離・方向性・スピン量が安定しやすく、狙い通りのショットを打ちやすい環境が整っています。
一方、ラフは芝が長く、ボールが芝の中に沈みやすいため、インパクト時に芝がクラブヘッドやフェースの動きを妨げやすく、その影響で飛距離が出にくく、方向性やスピン量が不安定になりやすいのです。
フェアウェイと同じ感覚でラフを打とうとするとミスにつながりやすいため、フェアウェイとは前提条件がまったく異なることを理解することが重要です。
ラフがゴルフで打ちにくい主な理由
ラフからのショットが難しい理由は、芝がクラブヘッドやボールに与える物理的な影響にあります。
具体的に挙げられる主な要因は、以下の通りです。
以下でそれぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
芝がクラブヘッドの動きを妨げる
ラフではフェアウェイよりも芝が長いため、インパクトの直前や直後に芝がクラブヘッドへ絡みつき、ヘッドスピードが落ちやすくなります。
フェアウェイで7番アイアンを使って150ヤード飛ばせる方でも、深いラフから同じクラブで打つと120〜130ヤード程度しか飛ばないケースは珍しくありません。
これは芝の抵抗によってヘッドスピードが低下し、ボールへ伝わるエネルギーが減少するためです。
その結果、フェアウェイと同じ感覚でスイングをしても飛距離が出にくく、狙った距離に届かない状況が起こります。
ボールとフェースの間に芝が入り、スピン量が安定しない
ラフでは、インパクトの瞬間にボールとクラブフェースの間に芝が挟まりやすく、本来かかるはずのバックスピンが減少することがあります。
芝だけでなく水分もフェースとボールの間に入り込むため、摩擦力が低下してスピン量が大幅に減少してしまうのです。
これにより、距離感が合わなかったり、予想以上にボールが伸びたりする「フライヤー現象(※)」が起きやすくなります。
※スピン量の減少によってボールが通常より低い弾道で飛び、グリーンに落ちた後も転がり続けてしまう現象のこと
特に朝露や雨上がりなど、芝に水分が多い状況ではフライヤーのリスクが高まるため、クラブ選択の際には注意が必要です。
フェース管理が難しく、方向性が安定しにくい
ラフからのショットでは、芝の抵抗を受けることでクラブフェースが意図せず開いたり閉じたりしやすくなり、方向性が不安定になりやすいです。
特にヘッドスピードが速いゴルファーほど芝の抵抗を強く受けるため、フェースが大きく開いて右方向へのミスショットが出やすくなります。
また、ボールの沈み具合によっても影響が異なり、ボールが深く沈んでいる場合はクラブヘッドが芝に入る角度が急になり、フェースが閉じやすくなって左方向へのミスが出ることもあります。
このように、ラフの状態によってフェースの挙動が予測しにくいことが、方向性を不安定にする大きな要因といえるでしょう。
ラフから脱出するときの正しい打ち方
ラフからの脱出では、「飛ばす」ことよりも「確実に出す」「次につなぐ」という判断が適切です。
前述のとおりラフでは芝の抵抗によって飛距離や方向性が大きく損なわれるため、無理に攻めようとすると余計にスコアを崩す結果につながります。
ラフから脱出する際は、以下4つのポイントを押さえておきましょう。
- 無理に飛ばそうとしない:残り距離より脱出を最優先する
- ロフトのあるクラブを選ぶ:ユーティリティやウッドよりショートアイアンやウェッジが安全
- ボールをクリーンに打とうとしすぎない:芝ごと打つイメージで上から入れる
- フルスイングは避け、再現性を優先する:コンパクトなスイングで確実にミートする
特に深いラフでは、8番・9番アイアンやウェッジなどロフト角の大きいクラブを選び、スイング幅を抑えることで芝の抵抗に負けず安定したインパクトができます。
自信がない場合は、迷わず短いクラブを持つと覚えておくと良いでしょう。
ラフはゴルフ初心者でも「打ち方」より「考え方」で冷静に対応できる!
ラフとは、フェアウェイの外側に広がる芝が長いエリアで、芝がクラブヘッドの動きを妨げたり、スピン量が不安定になったりすることで打ちにくさが生まれます。
しかし、ラフからのショットで大切なのは特別な打ち方のテクニックではなく、「無理に飛ばさず、確実にフェアウェイへ戻す」という冷静な判断です。
深いラフに入ったときほど、残り距離よりも脱出を優先し、ロフトのあるクラブで次のショットにつなぐ選択をすることが、結果的にスコアを守ることにつながります。
ラフの状態を見極め、自分のレベルに合った無理のない判断ができるようになれば、ラフに入っても慌てずに冷静にプレーできるでしょう。

ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。


