ゴルフボールは一見同じように見えますが、実は性能によって飛距離やスピン量など様々な側面に影響を与えます。
しかし、「ゴルフボールの違いが分からない」「自分に合ったボールはどれ?」とお悩みの人も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、ゴルフボールの基礎知識から自分に合ったボールの選び方まで、チキンゴルフ編集部が詳しく解説します。
練習してもスコアが上がらない初心者や、グリーン上でのコントロールが上手くいかない中・上級者におすすめのゴルフボールも紹介。
この記事を読んで、自分に合ったゴルフボールで上達を目指しましょう。
ボギー馬場
【取得ライセンス】
・JGRA
【プロフィール/経歴】
チキンゴルフのレッスンマニュアルをゼロから構築。
青山学院大学を卒業後、一般企業へ就職。
その後、笑いが絶えないゴルフティーチングプロを目指し、ゴルフ専門学校へ入学。
JGRAのライセンスを取得し、明るい性格を活かしながら「楽しく真剣なレッスン」を提供中。
ゴルフボールの基礎知識を解説
ゴルフボールは公認球と非公認球の2種類があり、違いは以下の通りです。
違い | 公認球 | 非公認球 |
---|---|---|
重さ | 45.93g以下 | 規定なし |
直径 | 42.67mm以上 | |
初速 | 76.2m/s+2%以下 | |
反発係数 | 0.800以内 | |
競技での使用 | 可能 | 不可 |
公認球は、R&A(Royal and Ancient Golf Club of St Andrews)とUSGA(United States Golf Association)が定めた規格に適合したボールです。
一方、非公認球はこの規格から外れたボールを指します。
一般的に販売されているボールの多くは公認球ですが、非公認球の方が飛距離を出しやすいのが特徴です。
一般的なラウンドでは、公認球・非公認球どちらを使用しても問題ありません。
また、ゴルフボールは公式・非公式球の違いだけでなく、以下の違いもあります。
ゴルフボールの構造やピース数などの設計により、飛距離やコントロール性・スピン量に大きな影響を与えます。
構造
ゴルフボールは、以下3つの要素から成り立っています。
構造の要素 | 影響 |
---|---|
コア | ボールの中心部分 飛距離やスピンに影響する |
カバー | ボールの外側 耐久性やスピン性能に影響する |
ディンプル | ボール表面の凹み 飛距離と安定性に影響する |
コアはボールの中心部分のことで、飛距離やスピンに影響を与えます。
一般的にコアが硬いボールほどスピン量が増えるためコントロール性が高まり、柔らかいボールほど低スピンで飛距離を出しやすいのが特徴です。
ゴルフボールの外側部分にあたるカバーは、主にアイオノマー樹脂やウレタンが使用され、耐久性やスピン性能に影響を与えます。
ゴルフボールの特徴でもある表面の凸凹はディンプルと言い、飛距離に影響します。
一般的なゴルフボールのディンプル数は300~450個ほどで、数が多いほど空気抵抗が抑えられ飛距離が伸びやすいのが特徴です。
ピース数(コア数)
ゴルフボールのピース数とは、ボール内部の素材の層数を指します。
一般的に2〜4ピースのボールが主流で、ピース数が多いほど性能が高くなるのが特徴です。
性能が高くなる反面、同時に価格も上がるので、ピース数が多いほど高価になります。
ピース数ごとの特徴や向いている人は、以下のように異なります。
ピース数 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
2ピース | 飛距離が出やすい | 初心者 シニア |
3、4ピース | スピンがかかりやすくボールを止めやすい | 中・上級者 |
2ピースボールはシンプルな構造で、コアとカバーの2層で設計されています。
飛距離を伸ばしやすいのが特徴で、コストパフォーマンスも良いため、初心者でも扱いやすいでしょう。
一方3・4ピースのボールは、スピンがかかりやすく止めやすい設計で、中級者や上級者でアプローチショットの精度を高めたい場合に使用されます。
ゴルフボールの種類と特徴
ゴルフボールには以下4つの種類があり、それぞれ特徴やプレーに与える影響に違いがあります。
それぞれのボールは、飛距離やスピン性能・操作性などに違いがあり、ゴルファーのスキルレベルやプレースタイルによって適したものが異なります。
各種類の特徴を以下で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ディスタンス系
ディスタンス系ゴルフボールは、その名の通り飛距離を重視したボールです。
特に、初心者やヘッドスピードが遅いゴルファーに適しています。
ディスタンス系ボールの主な特徴は、以下の通りです。
- スピン量は少なめ
- 弾道が真っすぐな傾向がある
- 耐久性に優れている
ディスタンス系のゴルフボールは、一般的にコアが柔らかくカバーが硬い特徴があります。
2ピースのゴルフボールが多く比較的安価のため、ボールを失くしやすい初心者でも使いやすいでしょう。
ただし、グリーン周りでのコントロール性はやや劣るため、アプローチショットの精度を重視する場合は注意が必要です。
飛距離を重視する人やヘッドスピードが遅い人は、ディスタンス系のゴルフボールを選択肢に入れてみましょう。
スピン系
スピン系ゴルフボールはスピンコントロールに優れ、グリーン上にボールを止める能力が高いのが特徴です。
一般的に中級者・上級者向けのボールとされており、主に以下のような特徴があります。
- 3ピース以上の多層構造が一般的
- グリーン周りでのスピン性能を求めるプレーヤー向け
- 左右のスピンも増えやすいので、ミスが多い初心者には向かない
スピン系のボールは一般的に3ピース以上の複雑な構造を持ち、柔らかいウレタンカバーを使用しています。
これにより、ショット時のスピン量を細かくコントロールでき、アプローチショットや短い距離などの場面で使用されることが多いです。
しかし、スイングの精度が求められるスピン系のボールは、初心者には向いていません。
スイングが不安定な初心者が使用すると、意図しないスピンがかかり、ボールが大きく曲がってしまう可能性が高まります。
グリーン周りでのショット精度を高めたい人は、スピン系のボールを選んでみてください。
バランス系(第3系)
バランス系(第3系)ゴルフボールは、ディスタンス系とスピン系の特徴をバランス良く併せ持つボールです。
幅広いレベルのゴルファーに適しており、多くのアマチュアゴルファーが使用しています。
バランス系ボールの主な特徴は、以下の通りです。
- 飛距離とスピンのバランスを取りやすい
- 3ピースまたは4ピース構造が多い
- 様々なショットに対応できる万能なボール
ディスタンス系ほどの飛距離性能はないものの、十分な飛距離を維持しつつ、スピン性能も一定レベルで発揮できます。
構造は3ピースや4ピースのものが多く、様々なショットに対応できる万能なゴルフボールと言えるでしょう。
ディスタンス系では物足りず、スピン系は難しいと感じる人におすすめです。
レディース向け
ゴルフボールは男女で使用するボールが分かれているわけではなく、基本的に同じボールを使用します。
しかし、一部のメーカーでは女性向けのゴルフボールも展開されており、主な特徴は以下の通りです。
- 軽量設計で飛距離が出やすい
- コアが柔らかく、低スピン設計
- カラフルなデザインが多い
レディース向けのボールは、軽量なものが多く、ヘッドスピードが比較的遅いゴルファーでも飛距離を出しやすい設計です。
スピン量が少ない傾向があるため、ミスショットによるボールの曲がりも抑えられるでしょう。
ヘッドスピードが遅い女性ゴルファーや、柔らかい打感を好む人におすすめです。
ゴルフボールの選び方4選
ここでは、ゴルフボールの選び方を以下4つ紹介します。
ゴルフボール選びは、スコアアップの鍵となる重要な要素です。
自分の目的とプレースタイルに合ったボールを選ぶことで、プレーの質が向上する可能性があります。
以下で解説する4つのポイントに着目して、自分に合ったゴルフボールを見つけましょう。
課題に合わせて選ぶ
ゴルフボールは、プレーヤーの課題や目標に応じて選ぶことが重要です。
よくある課題とおすすめのボール
よくある課題 | おすすめのボール |
---|---|
グリーン上でボールが止まらない | スピン系のボール |
真っ直ぐ飛ばず飛距離も出ない | ディスタンス系のボール |
ボールの弾道が安定しない | バランス系(第3系)のボール |
スピン系のボールは、ウレタンカバーにより高いスピン性能を発揮するため、グリーン上での制御がしやすくなります。
反対にミスショットでボールが曲がりやすい人や飛距離が出ない人は、ディスタンス系のゴルフボールを選んでみましょう。
低スピン設計により曲がりを抑えられるため、初心者でも使いやすいでしょう。
ボールの弾道が安定しない人は、飛距離とスピン両面のアプローチができるバランス系のボールがおすすめです。
ヘッドスピードに合わせて選ぶ
ヘッドスピードは、ゴルフボール選びの重要な基準の1つです。
ヘッドスピードによって、適したボールの特性が以下のように異なります。
ヘッドスピード | おすすめのボール |
---|---|
ヘッドスピードが速い人 (43m/s以上) | スピン系や硬めのボール |
ヘッドスピードが遅い人 (35m/s以下) | ディスタンス系のボール |
中間的なヘッドスピードの人 (35〜43m/s) | バランス系(第3系)のボール |
ヘッドスピードが速い人は、飛距離を稼ぐよりもコントロール性を重視することでスコアアップが期待できます。
スピン系や硬めのボールは、飛距離よりもグリーン周りでのコントロールやスピンの精度を高めやすいため、ヘッドスピードが速い人におすすめです。
一方ヘッドスピードが遅い人は飛距離が伸びにくいので、ディスタンス系のボールを選ぶと良いでしょう。
特に柔らかいコアを持つボールは、ヘッドスピードが遅くても飛距離を伸ばしやすいため、初心者にも適しています。
ヘッドスピードが速くも遅くもない中間的な人は、飛距離とコントロール性のバランスが取れたボールがおすすめです。
価格から選ぶ
ゴルフボールの価格帯は、性能や構造に応じて大きく異なります。
自分のプレー頻度や技術レベルに応じて、適切な価格帯のボールを選ぶことも重要です。
一般的に、ピース数が増えるごとに機能性が高くなり、価格も上がる傾向があります。
ピース数 | 料金相場(※) | おすすめ |
---|---|---|
2ピース | 約2,000〜3,000円/1ダース | 初心者 練習用 |
3ピース | 約3,000〜7,000円/1ダース | 中級者 幅広いゴルファー |
4ピース | 5,000円以上/1ダース | 上級者 プロ |
初心者の方は、ボールをなくしてしまう頻度が高いことも考慮し、まずは安価なボールから始めるのがおすすめです。
中級者以上のゴルファーは、少し高価でも機能性に優れたボールを選ぶことでスコアアップを目指せるでしょう。
自分のレベルに必要な性能を見極めて、見合った価格のゴルフボールを選んでみてください。
コンディションに合わせて選ぶ
天候やコースのコンディションも、ゴルフボール選びに大きく影響します。
状況に応じて適切なボールを選ぶことで、より安定したプレーを目指せるでしょう。
天候に応じたおすすめのボールは、以下の通りです。
コンディション | おすすめのボール |
---|---|
風の強い日 | ディスタンス系のボール |
雨天時 | 派手な色のボール |
風が強い日は飛距離や方向性に影響を与えることが多いため、直進性が高く風に影響されにくいボールを選ぶと良いでしょう。
特にディスタンス系のボールは、スピン量が少なく風に影響されにくいので、弾道が安定しやすくなります。
雨の日は薄暗くボールを見つけづらくなるため、派手めな色のボールを使うのがおすすめです
これら4つのポイントに着目して、自分の目的やプレースタイルに合った最適なゴルフボールを選びましょう。
おすすめのゴルフボール
ここでは、初心者や上級者・女性別におすすめのゴルフボールを紹介します。
おすすめのボール | 特徴 |
---|---|
初心者向け(ディスタンス系) 本間ゴルフ HONMA D1 | ・アマチュアに大人気のボール ・コスパに優れている |
中・上級者向け(スピン系) スリクソン Z-STARシリーズ | ・松山英樹が使用しているボールとしても有名 ・柔らかい打感が特徴のZ STARと、飛距離性能が特徴のZ STAR XVがメジャー |
中・上級者向け(スピン系) タイトリスト PRO V1シリーズ | ・ツアープロの使用率No.1のボール ・ソフトな打感と中弾道が特徴のPro V1と、理想的な中高弾道が特徴のPro V1xがメジャー |
女性(レディース向け) キャスコ KIRA Sweet | ・可愛いデザインに加えて、女性でも飛ばしやすい構造 ・視認性が高く、ボールを見失いにくい |
ゴルフボールによって価格だけでなく特徴も大きく異なるため、自分のレベルや目的に合ったものがあるか確かめてみてください。
以下でそれぞれの特徴を詳しく紹介します。
初心者 | ディスタンス系
出典:HONMAオンラインショップ
価格(税込) | 2,310円/1ダース |
---|---|
素材 | カバー:アイオノマーカバー コア:RMソフトコア |
構造 | 2ピース |
タイプ | ディスタンス系 |
適応ヘッドスピード | 全領域 (※~47m/s推奨) |
ディンプル数 | 368個 |
本間ゴルフの「NEW HONMA D1ボール」は、ヘッドスピードの遅い初心者でも飛距離アップが期待できるディスタンス系のゴルフボールです。
新配合RMソフトコアを採用し、高初速と安定した打感を実現しています。
またディンプル数が368個と多めに設計されているため、風にも負けない力強い高弾道が目指せるでしょう。
中・上級者 | スピン系
出典:DUNLOP
価格(税込み) | 6,930円/1ダース |
---|---|
素材 | カバー:極薄スーパーソフトウレタンカバー ミッド:高反発アイオノマー極薄ミッド コア:スーパーソフトファストレイヤー D.G.大径コア |
構造 | 3ピース |
タイプ | スピン系 |
適応ヘッドスピード | 35~49m/s |
ディンプル数 | 338個 |
スリクソンの「Z-STAR」は、ソフトなフィーリングを重視したスピン系のゴルフボールです。
コアは柔らかくカバーは硬い素材のため、ドライバーショットでは飛距離を伸ばしやすくアイアンショットではスピン量をアップします。
フィーリングを重視するプレーヤーや、多様なショットを打ちたい人におすすめです。
もう1つメジャーな「Z STAR XV」は飛距離性能がより強化されたボールになります。
女性 | レディース向け
出典:Kasco
価格(税込み) | 5,280円/1ダース |
---|---|
素材 | カバー:アイオノマーカバー コア:マイクロバルーン |
構造 | 3ピース |
タイプ | レディース向け |
適応ヘッドスピード | 〜42m/s |
ディンプル数 | 252個 |
キャスコの「KIRA Sweet」は、女性におすすめのレディース向けゴルフボールです。
蛍光顔料が使用されたカラフルで可愛いデザインは、視認性が高くボールを見失いにくいでしょう。
ディンプル数は252個と少ないですが、大小異なる形状で空気抵抗を減らし、女性でも飛距離アップが目指せます。
ゴルフボールのメンテナンス方法
一般的にゴルフボールの寿命は5年程度と言われていますが、多くの場合、寿命が来る前にOBなどでボールを失くしてしまうでしょう。
またはカートや木に当てて大きな傷がついてしまった場合は、性能が落ちるので交換することをおすすめします。
もしゴルフボールをメンテナンスする際は、以下の方法で行いましょう。
- 汚れを取り除く
- 表面のスクラッチや傷をクロスで軽く磨く
- 十分に乾燥させ、適切に保管する
ラウンド後には必ずボールを洗浄し、汚れを取り除きましょう。
汚れを放置すると、ディンプルによる空気抵抗を抑えにくく、飛距離が伸びなくなってしまいます。
洗浄後は表面のスクラッチや傷を軽く磨き、十分に乾燥させてください。
傷が深い場合は、ボールを交換するのがおすすめです。
メンテナンス後にボールを保管する際は、以下に注意してください。
- 直射日光を避ける
- 高温になりやすい場所を避ける
ゴルフボールは高温に弱く変形の恐れがあるため、直射日光や夏場の車内などを避けて保管することを徹底しましょう。
湿度が高すぎてもカビが発生してしまう可能性もあるので、室内で清潔な袋に入れて保管するのがおすすめです。
ゴルフボールの違いを理解して、自分にぴったりなボールで上達を目指そう!
ゴルフボール選びは、スコアアップだけでなく飛距離や方向性の向上につながる重要な要素です。
ゴルフボールを選ぶ際は、以下のポイントに着目して選びましょう。
選び方のポイント
レベル | 選ぶポイント | おすすめのボール |
---|---|---|
初心者 | ・飛距離 ・ヘッドスピード ・価格 | 本間ゴルフ HONMA D1 |
中・上級者 | ・スピン量 ・コントロール性 ・ヘッドスピード | スリクソン Z-STARシリーズ |
タイトリスト PRO V1シリーズ | ||
女性 | ・飛距離 ・価格 | キャスコ KIRA Sweet |
一見同じように見えても、その構造や特性によって大きく性能が異なるため、自分のレベルや目的に合わせて選ぶ必要があります。
様々なボールを試してみて、自分にぴったりなものを見つけてスコアアップはもちろん、ゴルフそのものの楽しさを見出しましょう。